矢代田の家

四季とともに過ごす家

 山裾に建つ小さな住宅。刻々と変化していく豊かな自然の移り変わり感じながら、ゆっくりとこの場所で過ごしたいというクライアントの言葉から想像力を働かせて設計しました。

 建物を2つの棟に分け、平行ではなく少し角度をつけて配置することで、豊かな自然環境を様々な方向から室内へ引き込もうと考えました。角度が異なるそれぞれの部屋の窓からは、様々な方向へと視線が抜けることで、全て異なる外の景色を楽しむことが出来ます。

 2つ棟の間から玄関へとアプローチしていくと、玄関の先には中庭を通して自然の景色が目に入ってきます。玄関を入って左手には、明るく開放的な平屋のパブリック棟、右手には落ち着いた雰囲気のプライベート棟(寝室や浴室が納まる)をそれぞれ配置し、時間や季節、その時の気分によって居場所を選べるような設えとしました。

 また、越後杉の丸太から挽き出した板を製材した順に並べて張った杉板貼りの天井や、手斧(ちょうな)で仕上げたラフな表情の柱、ランダムなサイズの板を貼った壁など、作り手の遊び心を至る所に配置しています。ただ効率だけではなく、ちょっとした遊びが加わることで、生き生きとした豊かな空間へが生まれています。

(写真/高木俊幸写真事務所)

規模と構造

用途 住宅
住所 新潟県新潟市
敷地面積 230.80㎡(69.81坪)
建築面積 68.95㎡(20.85坪)
延床面積 96.94㎡(29.32坪)
構造 木造2階建て
竣工 2010年11月
建築費 1950万
坪単価 66.5万/坪
設計料 240万

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