寺尾東の平屋

中央に中庭を配置したコの字型平面の平屋

新潟市内の住宅地に建つ平屋住宅。この住宅は比較的大きな敷地に配置されています。敷地の3面は、敷地境界近くまで隣家住宅が立ち並び、採光・通風、窓からの眺望確保、隣家からのプライバシーの確保、という点おいて、良好とは言えない敷地条件でした。

このような敷地条件の場合、建物を敷地片側に寄せ、敷地内に引きをとり、空地(庭)を確保し、その空いた側から採光・通風を行うのが通常でしょう。しかし、この住宅では敢えて中央に中庭を設け、その中庭を取り囲むようにコの字型に建物を配置しています。隣地からの視線を自らの外壁で遮り、隣地から覗かれないプライバシーの高い中庭として成立させています。このことにより、窓を開けたままでも人目が気にならない、開放的な室内空間を実現しています。

中央の中庭に光を積極的に取り込むため、屋根形状は中庭側に傾斜した漏斗状の形を採用しています。この屋根形状によって、中庭へは一日を通して光が落ち、明るい中庭となっています。朝、昼、夕と太陽の移動に伴って、室内に差し込む光は、刻々と部屋間を移動していきます。室内に居ながらも、光の移動によって、時間の変化、季節の変化を感じることができます。

光の差し込む中庭を取り囲む各諸室には大きな窓を設け、中庭と連続する開放的な空間としています。また、各部屋は中庭を介して、視線が繋がるような配置となっています。例えば、リビングの窓の外には、向かい合う個室が望めたり、子供部屋の窓の外には和室の風景が見えたり。互いの距離感を保ちつつ、互いの暮らしの気配を感じながら過ごせる家となっています。

規模と構造

用途 住宅
住所 新潟県新潟市
敷地面積 201.58
建築面積 100.20
延床面積 112.62
構造 木造平屋建て
竣工 2010年4月
建築費 2000万
坪単価 65万/坪
設計料 240万

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2010 寺尾東の平屋 記事一覧


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