蓮野の平屋

まるで雑木林の中を歩き回っているかのような家

 隣接する雑木林に対して呼応するように、曲がりくねった平面を持つ平屋住宅。計画地は、隣地に雑木林の広がる自然あふれる良好な敷地でした。また敷地は、雑木林に沿ってくねくねと変形する特殊な形状の敷地でした。このような敷地条件を積極的に活かし、建物を作ろうと考えました。

 くねくねとした変形敷地の上に、矩形のかちっとした形の建物を建ち上げては、この環境からは浮き立ってしまう。そのように考え、雑木林と呼応するような、くねくねとした平面を採用しています。家の中のあるところでは雑木林に近づいたり、あるところでは雑木林と離れたりと、室内に居ながら、まるで雑木林の中を歩いているような感覚になります。また、雑木林を借景として室内に取り入れるため、雑木林の見える距離や角度によって、異なる大きさの窓を設け、緑をフレーミングしたり、空間的に繋げたりと、雑木林の様々な表情が見れる工夫をしています。

 この住宅の並びには、黒塀で有名な旧家が建っていました。その建物に敬意を払い、黒塀と同様の黒く着色した杉板貼りの外壁を採用しています。緑の雑木林を背景に、黒い外壁が上手く馴染み、周囲の街並みに溶け込んでいます。この住宅が建ったことを皮切りに、なぜか周囲の建物の外壁も自然と黒色に統一され、今では統一感のある街並みが形成されつつあります。

窓の外に見える雑木林は、季節とともに日々刻々と表情を変えていきます。四季の移り変わりを楽しみながら過ごす家。

規模と構造

用途 住宅
住所 新潟県聖籠町
敷地面積 219.10㎡(66.27坪)
建築面積 86.95㎡(26.30坪)
延床面積 86.95㎡(26.30坪)
構造 木造平屋建て
竣工 2008年10月
建築費 1700万(外構・地盤改良・上下水道引込み工事費を除く)
坪単価 65万/坪
設計料 210万

ブログ記事

2008 蓮野の平屋 記事一覧


最新事例

お米カフェ店舗内模型

お米スタンドHACHI HACHI+(米販売店舗) (2024年)

お米のある暮らしを提案するお米屋さん

G工場オフィス断熱改装工事 (2024年)

工場内に落ち着いた雰囲気のオフィス空間を作り出す

越後曽根の平屋 (2024年)

コンパクトで高性能な平屋の暮らし