カテゴリー: 2007 燕のコートハウス

「燕のコートハウス」天井高と部屋の広さの関係

「燕のコートハウス」は部屋毎に天井高さを変えてあります。通常であれば、空間の縦横比を崩さないよう、広い部屋は天井高を高く、狭い部屋は天井高を下げるのが空間設計のセオリーです。しかし、今回、部屋の広さに縛られずに各部屋の天井高を設定してみました。意図的に広い部屋の天井高を少し低めにしたり、狭い部屋の天井高さを高めにしたり、場所毎に天井高さを自由に設定しています。

天井高のある空間は、上方へ伸び上がる様に高揚感のある空間に。天井高の低い空間は、重心の低い落ち着いた雰囲気に。部屋を移動する度に、空間が上下に伸縮し、めくるめくように空間が変化していきます。実際には5センチから15センチ程度の天井高の変化でしかないのですが、広さとの関係もあり、実際の寸法以上に天井高が変化したように感じます。

平面的な横方向の広がりだけでなく、高さという縦方向への空間の広がりを意識することで、空間の質は劇的に変わってきます。人間というのは敏感なもので、天井高が異なるということを伝えなくとも、自然と分かってしまうようです。実際にこの場を訪れた人の多くの方が天井高の変化に気がついていました。

天井高の変化 天井高の変化 天井高の変化

「燕のコートハウス」桧(ヒノキ)仕上げの浴室

「燕のコートハウス」の浴室の壁・天井仕上げは、桧(ヒノキ)仕上げとしています。そのため、浴室に入ると、ほのかな木の香りがしてきます。ヒノキにはヒノキチオールという成分が多く含まれ、その成分には人をリラックスさせる効果があります。

ゆっくりと浴槽に浸かって一日の疲れを癒す空間には、ヒノキの柔らかな見た目と香りが最適と考えました。浴槽に浸かれば、目の前の窓からはプライベートな中庭を通して空が見え、開放感のあるリラックスした時間を過ごすことができます。

水廻りに木を使うことはメンテナンスの点で敬遠されることも多いのですが、手間を掛けただけ快適な時間がきっと得られるはずです。実際にこちらの浴室の写真は、竣工から2年経った後の写真です。カビ等の汚れも無く、とてもきれいに使われています。ユニットバスのような無機質な浴室ではなく、こんな落ち着いた雰囲気の浴室もオススメです。

ヒノキ仕上浴室 ヒノキ仕上浴室
ヒノキ仕上浴室

「燕のコートハウス」焼き物風外壁仕上げ

「燕のコートハウス」の外壁は、何仕上げですか?と、よく聞かれます。という訳で、今回はその種明かしを。

実は、「燕のコートハウス」の外壁仕上げには、墨モルタルを採用しています。しかし、ただモルタル仕上げとしただけでは、表情に面白みがない。そこで考えたのは、墨モルタルの中に砕いた土管のチップを混入し、半乾きになった時点で、ワイヤーブラシで掻き落すという方法。

仕上がった外壁は他に類を見ない、独特な表情となりました。まるで、黒い素焼きの焼き物のよう。重厚さと柔らかさが共存するような、なんとも言えない独特の表情です。

燕のコートハウス

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「燕のコートハウス」が雑誌に掲載されました

雑誌の取材のため、新潟「燕のコートハウス」へ。今回は来春発売の「住まいnet新潟」の撮影と取材が行なわれました。お施主さんと楽しく談笑しながら撮影は進みます。途中、私も写真の中に。特集ページには私も掲載されているかもしれません。

こちらのお家は竣工から2年の時が経っています。お施主さんご家族は、本当にきれいに住みこなしていらっしゃいます。一般的な家と比べればかなり特殊な平面なのかもしれませんが、お施主さんの暮らし方に合わせて設計していることもあって、使い勝手は良いようです。それによってきれいに無理なく、住みこなすことが出来ているのだと思います。

竣工した当初に比べ、栗の床板は飴色になっていました。お施主さんは「そんなに気を使ってメンテナンスしてないんですよ」と謙遜していましたが、時間を経て味のある、落ち着いた雰囲気になっているように感じました。取材協力ありがとうございました。これからも引き続き、楽しくお過ごしください。

燕のコートハウス 燕のコートハウス 燕のコートハウス
燕のコートハウス

「燕のコートハウス」植樹

久しぶりに「燕のコートハウス」へ。こちらの住宅も、気がつけば竣工してもう2年の時が経とうとしています。ついこの前引き渡したかと思っていたら、あっという間に月日が過ぎていて、その時間の流れに改めて驚いてしまいます。

今回は、中庭に庭木を植える為にお邪魔してきました。樹を植えると、庭の表情がガラリと変わります。改めて住まいに息が吹き込まれたよう。

庭木 庭木

 

「燕のコートハウス」竣工写真撮影

竣工写真撮影のため、写真家と共に「燕のコートハウス」へお伺いしてきました。竣工して約半年が経ち、お施主さんの生活もだいぶ落ち着いてきたようです。

「燕のコートハウス」は外から見ると一見、窓が少ない閉鎖的な家のように見えます。が、内部には中庭が2つあり、その中庭に面した大きな窓から陽が射し込むとても明るい室内が広がっています。外から見た時と、中に入った時の印象が異なる建物。閉鎖的な外観と、開放的な内観。外からの閉鎖的な印象は、家の中に入った際の安心感を実現しています。

コートハウス形式は、市街地における住宅の一つの解法です。外から覗かれることの無い中庭に面した窓は、普段カーテンを開けっ放しにしているそうです。窓からは一年中、光や風が入ってきてとても快適に暮らしているとも。

燕のコートハウス」竣工写真

コートハウス 003 コートハウス コートハウス

「燕のコートハウス」天井を濃い色に着色した理由

以前、床から天井に向け上へいくに従い、濃い色から明るい色にしていくのが、部屋の色選びの基本的な手法だということを紹介しました。下方に濃い色、上方に薄い色を使うことで、空間に安定感が生まれます。しかし、こちらの建物ではその手法に反して、天井を濃い目の茶色に着色しています。色選びを失敗した訳ではなく、きちんと理由があってそのような色選びをしているのです。

種を明かせば、視線が横方向へと伸びていくことを意図したからです。床と天井の色を同色とすることで、上下から視線が挟まれ、必然的に奥へと視線は広がっていきます。仮に天井を壁と同じ白い色にしてしまえば、上方へと視線が逃げていってしまいます。平面構成上、部屋が奥へ奥へと繋がっていく空間ですので、あえてそのような色使いをしてみました。視線が奥へと抜けていくように見えませんか?

ラワン天井着色 ラワン天井着色

「燕のコートハウス」廊下の無い家!?

「燕のコートハウス」こちらの住宅には廊下がありません。えっ!?っと思われるかもしれませんが、本当に一カ所も廊下スペースが無いのです。

部屋同士が廊下を介さず直接繋がり、引き込み建具によって次々に連続しています。全ての引き戸を開ければ、ワンルーム空間に。引き戸を閉めれば、一つ一つの空間が個室となります。各部屋には、子供部屋やリビングなどの名称をつけず、ただ広さと天井高の異なる部屋を並べています。どの部屋をどのように使うかは、住む人の自由。その時の家族構成によって、また、季節や気分によって使う部屋を変えていっても良いかもしれません。どんな風に使われていくのか、とても楽しみな空間です。

廊下の無い家 廊下の無い家 廊下の無い家

 

「燕のコートハウス」玄関土間スペース

こちらの住宅、特別玄関スペースを設けることはせずに、6帖の広さの土間空間を玄関スペースとしています。オープンハウスに来場された皆さんは、思い思いに土間の縁に腰かけ、楽しく会話を楽しんでいました。昔懐かしい家の風景を見ているようでした。

このような昔ながらの土間スペースは、いろいろな使い方に対応でき、現代でも有効な空間ではないかと思います。特に雪の多い寒い地方では、この半外部空間は特に有効に使えそうです。冬場の子ども達の遊び場になったり、ちょっとした作業場になったり。土足で使う場所でありながら内部でもある空間。そんな空間に可能性を感じています。

一見、暗そうに見える外観と、室内に入った際の明るさの対比に、皆さん驚きを感じているようでした。沢山の方にご来場いただけたことを感謝いたします。

土間スペース 土間スペース 001

「燕のコートハウス」外壁左官仕上げ

「燕のコートハウス」は現在、外壁の仕上げ工事中。ただ左官で仕上げただけでは面白みがありませんので、ちょっと工夫をしてみようと思います。作り手の跡が残るざらっとした味のある表情に。一回塗り込んだ壁に、左官屋さんが試行錯誤しながら仕上げを施していきます。未だかつて誰もやったことのない仕上げだけに、出来上がりが楽しみです。

掻き落とし仕上げ 掻き落とし仕上げ

「燕のコートハウス」ホタテパウダー藁入り塗装仕上げ

「燕のコートハウス」施主さんを交えた素人集団!による自主施工から一夜明け、壁の仕上がり状態を確認してきました。ざらっとした壁に朝の光が柔らかく当たっています。つるっとした塗装に比べ、質感があり、上品で落ち着いた雰囲気が出ています。良く目を凝らしてみれば、ややローラー跡が残っていますが、それが逆に良い味となっています。とても素人が塗ったとは思えない仕上がりです。

今回、そのまま塗料を塗っただけでは面白くないと思い、塗料の中に藁(わら)を入れ、さらに表情をつけることを試みています。今回用意したのは、荒縄(わら縄)です。荒縄をほどき、ハサミで小さくチップ状に切断し、塗料の中に混ぜ込みました。藁の多い所、少ない所、場所毎にランダムな仕上がりとなっています。その藁チップが壁に影をつくり、昔の土壁のような温かみと深みのある表情となっていました。

藁入り壁仕上げ 藁入り壁仕上げ 藁入り壁仕上げ

「燕のコートハウス」壁塗り自主施工

「燕のコートハウス」今日は壁塗り工事です。といっても、今回は施主さんを交えて自分たちで壁塗りを行なうのですが。集まったのは、施主さんご家族、両親や友人たちプラス設計者の数名。皆さん、壁を塗るのは当然、初めて。まずは設計者である私が全体の手順を説明し、実際に材料を作って壁に塗って手本を見せます。その後、見よう見まねでみんな一斉に壁塗りをスタートしました。職人さんによって下地パテまで仕上がった壁にローラーでひたすら塗料を塗り付けていきます。

今回選んだ壁の塗料は、ホタテの貝殻を焼成して作ったという漆喰塗料です。舐めても害がない天然由来の材料を使っており、吸湿性能があり、室内環境を安定させるのに効果があります。その塗料を手作りの跡が残るざっらとした表情に仕上げていきます。

全員、頭にタオルを巻いて、真っ白になりながら作業に没頭。朝から始めて夕方には概ね作業が終了しました。家一軒の壁を一日で塗り終わるのに丸一日、作業としてはかなり速い方です。自主施工はコストを下げるためだけでなく、みんなで一緒に家づくりをするという充実感の方に意味があると思います。自分が住む家に自ら関わっていく。そうすることで自分の家なんだという実感が生まれ、家に対する愛着が湧いてくるのだと思います。

一日経てば塗料が乾くので、明日ムラのある部分に再度塗装を行い、さらに完璧な仕上を目指します。明日の仕上がりが楽しみです。

壁塗り自主施工 壁塗り自主施工 壁塗り自主施工