カテゴリー: 2012 東三条まもる眼科

「東三条まもる眼科」診療所の設計にあたって考えたこと

先日、東三条まもる眼科の設計コンセプトに関してインタビューを受けました。
設計意図を皆さんに知ってもらう為、インタビュアーとのやり取りをここに掲載します。
どのような経緯で何を考えて設計を進めたのかが、分かると思います。

インタビュアー
「一般的に医療機関というと眩しいくらいの白、というイメージが強いですが「東三条まもる眼科」では、あまり真っ白が見られません。白以外の色をなぜ今回、取り入れたのですか?」
設計者 金子
「旧来の医療施設の仕上げが白いというのは、清潔で公正なイメージを色で表現したかったからだと思います。しかし近年、その白さが逆に取りつきにくく「人を拒む」ようなイメージへと転化してしまったように思います。今の医療、とくに地域医療においては、患者さんに寄り添い、地域とともに歩んでいく施設であることが必要とされていると思います。その様な施設では、当然、真っ白で清潔である空間よりも、アットホームで居心地のよい空間が求められるでしょう。真っ白で無機質な空間では、だたでさえ不安を抱えている患者さんが緊張してしまいますよね。家のリビングのような心地よく落ち着いた空間で、リラックスして診療を受けてほしいそのような医院長の願いから、あのような空間が生まれたのです。最上の医療というものは、直接的な治療をしなくとも、(つまり、むやみにメスで切ったり、薬を投与したりするのではなく)患者さんの話を聞き、気持ちをリラックスしてもらうだけで、病を直すことだと思います。そのような間接的な医療への関わりにおいて、設計者には大事な役割があるのだと思います。
また、今回アフォーダンスという概念を試みています。各室(つまり、ボックス)の壁仕上げは全て異なっています。仕上げられた素材によって、その部屋がどのような機能を持つ部屋か、特別な標識がなくとも分かるようにしました。例えば、暗室は黒いざっくりとした仕上げ、手術室は硬質で清潔感を感じさせるタイル貼り、コンタクトコーナーは水をイメージさせるような瑞々しい色のタイル貼り、診察室は柔らかで落ち着きを感じる木目調、というように。また、床の色も、受付から診察室に至るまで、次第に色が変わっていくように意図して選んでいます。奥へ奥へと進んでいることが、暗示的に患者さんに伝わるよう、デザインしています。」

インタビュアー
「医院内のどこからでも緑が眺められるようにしたとお聞きしました。積極的に自然が取り込んでいるのは、なぜでしょうか?」
設計者 金子
「古来より目には緑が良いといわれてきました。ロビーで診療を待つ患者さんには、樹々の緑を見ながら少しでもリラックスしてほしいとの思いからです。患者さんは、ただでさえ不安な気持ちで医院を訪れているわけですから。」

インタビュアー
「木造に落ち着いた経緯はあるのでしょうか?」
設計者 金子
「まずは、建設コストを抑えたいということがありました。それ以上に、昔ながらの木造軸組の建物であるということが、その街並のスケールに馴染み、地域に密着した医療を目指すという医院のテーマに合致するのではないかと考えたためです。コンクリート造や鉄骨造では、ちょっと寒々しいイメージがありますから。」

インタビュアー
「建物の平面構成が面白いなと感じたのですが、どのようにして平面プランを決めていったのでしょうか?」
設計者 金子
「今回の平面は、目に障害を持つ患者さん(つまり視覚弱者)にも分かり易い平面をつくろうと意図して生まれた空間構成です。建物の中央に診察室を置き、その廻りをぐるりと一周すると、受付→検査→診察→会計が終わるという回遊式の動線となっています。こうすることで、患者さんの動線が交錯せず、スムーズに診察を受けられるのでないかと。私自身、他の病院で診察の流れが把握できず、どの診察室に入ってよいか、迷ってしまうことが多かったので(笑)。だれにも説明されなくとも、自然と分かる空間の流れを作りたかったのです。」

眼科アフォーダンス

眼科アフォーダンス

眼科アフォーダンス

眼科アフォーダンス

眼科アフォーダンス

「東三条まもる眼科」レッドシダー外壁の経年変化

東三条まもる眼科。竣工から1年半の時が経ちました。こちらの建物の外壁は、レッドシダーで仕上げてあります。竣工した当初の濃茶に塗装されていたカッチリした表情とは異なり、程よい感じで色が抜け、なんだか優しい表情になっていました。木は自然物ゆえ、太陽光や雨に晒され、少しづつ色目がグレーに変化していきます。

設計を進めていく時点で、外壁材が退化していくのは外観を見る人にとって不清潔に見えるのではないか、それは診療所としてどうか、という議論をしましたが、今になって外観を眺めてみれば、今の表情も良いものではないかと思えます。

診療所を訪れる人は、なんらかの病であったり、不安を抱えています。竣工当初のきりっとしいた診療所らしい整った表情よりは、患者さんたちを、思いやりをもって迎える表情の今の表情の方が、東三条まもる眼科に似合っているように感じます。
「東三条の目をまもる。」
地域に寄り添い、地域の人たちに慕われる、そんな診療所を目指して。

レッドシダー経年変化 レッドシダー経年変化 東三条まもる眼科

「東三条まもる眼科」竣工して一年が経ちました

東三条まもる眼科も竣工から1年が経ちました。建物を1年使うと建具の狂いや補修の必要な箇所も出てきます。工務店と共に現地を訪れ、1年点検を行い、補修や調整の必要な箇所を拾いだしてきました。

竣工時に植えた緑の樹々はすっかり根付いて、建物をぐるりと取り囲んでいます。建物の中からは、どの方向を向いても緑の葉が見え、とても心地のよい雰囲気。訪れた患者さんたちがリラックスすることで、少しでも痛みや悩みなどを減らすことができたら、という診療所の思いがそのまま空間構成として現れています。診察が終わった後も、つい長居してしまいそうなくらい。このような落ち着いた雰囲気の診療所が新潟県内にもっと増えたらなあと願います。

東三条まもる眼科HPリンク
東三条まもる眼科竣工写真へ

東三条まもる眼科1 東三条まもる眼科2 東三条まもる眼科3

東三条まもる眼科へ

竣工開院から約1ケ月半。久しぶりに東三条まもる眼科を訪れました。
敷地内の樹々は、緑の葉を風になびかせていました。建物内のどこからでも、外の緑が眺められる平面構成となっています。この診療所を訪れる患者さんたちが、病気に対する不安な気持ちを少しでも落ち着かせることができればと思い、緑あふれる心地よい空間を創造しました。
建物の中に流れる時間は、外よりも少しゆっくり流れているようです。
東三条まもる眼科hp

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東三条まもる眼科 完成見学会終了

東三条まもる眼科完成見学会、終了いたしました。開催当日は、500名以上の方に来場いただきました。ご来場くださいました方々に、感謝いたします。ありがとうございました。
こちらの眼科、連休明けの5月7日より開院いたします。
東三条まもる眼科HPはこちら→http://mamoru-ganka.com/
既存の眼科(医院)建築とは大分イメージが異なるため、地元の皆さんからどんな反応があるか、設計者として少し心配しておりましたが、来場くださった方々からは、「とても落ち着く」、「緑が見えてよい」、「開放的なところがいい」など、とても好意的な感想をいただき、ほっと胸を撫で下ろしています。「医療者目線からでは無く、患者目線で作った医院」と評してくださった方も。
東三条まもる眼科が、地域の皆さんに愛される診療所となり、地域とともに発展していくことを願っています。

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東三条まもる眼科 完成見学会

新潟県三条市で当事務所が設計監理をしてきました
「東三条まもる眼科」が、いよいよ竣工しました。

診療所というと、白く清潔で閉鎖的なイメージを持った建物が多いのですが、
東三条まもる眼科ではあえて、明るく開放的で、温かみのある空間とすることで
検査や診察までの間、外の樹々を見ながら、ゆっくりと心を落ち着けることが
できるような場を作り出すことを心がけました。
設計コンセプトはこちら→「mamoruganka.pdf」をダウンロード

是非とも皆さんに、実際にこの空間を体感していただければ思っています。

来たる4月29日(日曜)、完成見学会を開催いたします。
時間は、10時より16時まで。
場所は、東三条駅より徒歩5分。
案内をご希望の方は、ご連絡ください。
皆さんのご来場を心よりお待ちしております。
また当日、設計者による建物案内をご希望の方は、
メール等でご予約ください。
完成見学会の案内は、こちらでです。→「mamoruOPEN.jpg」をダウンロード

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東三条まもる眼科 模型作成

今週末の完成見学会に向け、東三条まもる眼科の模型を作成中です。
検討(スタディ)模型ではなく、完成模型ということで、内部の仕上げの質感や、家具まで出来る限り正確に実際の建物と同じ表情となるよう、作り込んでいきます。
最後は、人の模型を並べて完成。写真に撮ると、とてもリアル。
模型を覗いているだけで実際の使われ方までイメージできるのではないでしょうか。

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東三条まもる眼科 外構工事

東三条まもる眼科の現場へ。
引き渡し直前となると、現場チェックや建築検査など、設計者として現場へと足を運ぶ回数が増えます。外壁には看板ロゴが取りつき、外構には植栽が植えられ、殺風景だった外観の印象が柔らかくなりました。
診療所の中からは、様々な方向に緑が見えます。ここを訪れた患者さんにゆったりとした気持ちで
診察を受けてもらえることを期待しつつ、工事は最終段階へ。

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東三条まもる眼科 アフォーダンスをデザインに

東三条まもる眼科。いよいよ内装工事も終了がみえてきました。仕上げ工事はほぼ完了し、後は細かい納まりを調整するのみです。こちらの建物、各部屋の壁仕上げが異なっているのが特徴です。
暗検査室は、濃いグレーの左官仕上げ。
診察室は、木目仕上げ。
手術室は、淡い色目のタイル仕上げ。
院内にサインがなくとも、それとなくその部屋の用途が壁仕上げからわかるよう、デザインをしています。アフォーダンス(環境が人に対して提供する意図)というものです。目に障害を持つ患者さんが利用する施設。サインが見えなくともイメージできることが必要だと考えました。
仕上げ材を見て、何に使われる部屋か、皆さんわかるでしょうか。

まもる眼科壁仕上げ まもる眼科壁仕上げ まもる眼科壁仕上げ

東三条まもる眼科 足場解体

東三条まもる眼科、工事現場へ。
足場が外れ、いよいよ建物が全貌を現しました。前面道路から見ると、長さがあるためか、とても大きく見えます。1階は前面ガラス貼り、2階はレッドシダー板仕上げ。このままだと駐車場から1階の内部が丸見えですので、目隠しルーバーを取付けたり、植栽を植えたりと、引き続き外構工事を進めていきます。竣工に向け、急ピッチで工事進行中です。

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東三条まもる眼科 内装仕上

東三条まもる眼科。内装仕上げ工事が進行中です。
壁の塗装やタイル貼り、床のカーペット張りなど。様々な職種の職人さんが、所狭しと現場を駆け回っています。今回、壁や床の仕上げを場所毎に変えているので、仕上げ工事に多くの職人さんが必要となります。材料の置き場や作業場所がオーバーラップしないよう、工程管理も大変です。

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東三条まもる眼科 ガラス工事

打合せのために東三条の現場へきています。現場では、FIXガラスの取り付け作業中。
巾2間の複層ガラスの重さは一枚240キロもあります。大人7人がかりで持ち上げ、手作業で取り付けをしていきます。お互いに声をかけながら、慎重に一枚一枚。根気と体力のいる仕事です。
ガラスの取り付け終わった長い廊下。日差しが射し込み、明るく開放感いっぱいです。

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