カテゴリー: 2018 上越高田の家

「上越高田の家」完成見学会2日目

「上越高田の家」完成見学会2日目。本日も多くの方にご来場いただき、一日中座る隙きがない程でした。ありがとうございます。家を建てる際、設計事務所へ依頼するというのは、敷居が高いようで、まだ一般的では無いようです。実際に建物内部を見てもらい、もし(設計事務所へ依頼する事が)選択肢の一つとして考えてもらえたのであれば、とても良い機会になったと思います。初めてこんな家を見た、とか、こんな作り方や考え方があったのか、と皆さんの今後の家作りのヒントになったのであれば、幸いです。

今回の建物は、スキップフロア、吹き抜け、斜め平面、勾配天井、回遊動線など様々な設計アイディアを盛り込んでいるため、その大きさの割に空間構成が複雑で、なかなか写真でその面白さを伝えることが難しい建物です。建物内を移動するに従って、他のスペースが見えたり、隠れたり。窓の外の風景も、場所ごとに違って見えています。実際に空間を体験してもらえた方は、とても面白い体験ができたのではないでしょうか。

家作りにおいて、住宅をただ効率的に、ただ機能的に作られただけの空間では、そこでの暮らしに愉しみがありません。居心地の良さ、気持ち良さ、窓の外の美しい景色など、日々感じることで、生活に潤いが生まれるのだと思います。私が関わることで、そのような住宅、空間を作っていけたらと、いつも思っています。

今回、見学会に来場頂けなかった方のために、設計者自ら建物内を案内する動画を作成してみました。20分程度と少し長めですが、興味を持っていただけたら、嬉しく思います。

上越高田の家内部写真
上越高田の家内部写真
上越高田の家内部写真

「上越高田の家」完成見学会1日目

「上越高田の家」完成見学会を行いました。大型連休初日、かつ、雨やみぞれの降る天気と、あまり良い日和ではありませんでしたが、多くの方にご来場いただきまして、とても感謝しております。通常とは異なる住宅空間に、皆さん戸惑いつつも、共感して頂いけたようで。少なくとも、愉しんで頂けたのではないかと思います。

とても見晴らしが良い、室内が明るい、空間構成が面白いなど、様々な意見を聞くことができました。皆さんがどのように感じたかを、今後の設計にフィードバックして積極的に活かしていきたいと思います。

来場頂いた方から一つ質問がありましたので、こちらで回答をしておきます。なぜ建物の棟が異なる角度に向いているのか、について。計画敷地は、高田公園の桜並木や遠くの山々などが、様々な方向に見える景色の良い場所でした。その敷地の景観を積極的に活かし、それぞれの風景が最も効果的に見えるように、それぞれの棟の向きを向けているのです。また、両側の壁が平行でなく、壁の角度が変化してくことで、空間の質が変化することも考慮しています。

何か気がついたことや、設計者に聞きたいことがあれば、気軽に声をかけてください。答えられることであれば、その場で説明をしますので。

上越高田の家内観
上越高田の家内観
上越高田の家内観
上越高田の家内観

「上越高田の家」の屋内空間構成

「上越高田の家」完成見学会を数日後に控え、工事は最終段階に入りました。カウンターやキッチンなどの家具が搬入され、床に貼られていた養生シートが剥がされ、いよいよ室内空間の全貌が現れました。

今回は、内部の空間構成に、スキップフロア、吹き抜け、斜め平面、勾配天井、回遊動線など、さまざまな手法をこれでもか!という位、ふんだんに取り入れています。場所を変える毎に、空間の見え方や雰囲気が異なり、歩き回ること自体が楽しい空間となっています。少し狭くて落ち着いた場、天井が高くて広々とした場、景色の良い場、ちょっとこもれる場、などなど、場ごとに雰囲気の異なる空間がそこかしこに点在しています。現場を訪れたお子さんは、室内をくるくると飽きることなく、楽しそうに動き回っていました。

また、大きなワンルーム空間でありながらも、互いに見える場所、見えない場所を意図的に作り出すことで、互いが意識せずとも、互いの気配を感じて生活ができるよう配慮しました。姿は見えなくとも、他の家族が何をしているのかが、それとなく分かる。そんな付かず離れずの距離感を実現しています。

内部空間構成
室内空間構成
内部空間構成
内部空間構成
内部空間構成

「上越高田の家」内装仕上げ工事

「上越高田の家」大工工事概ね終わりに近づき、現場は内装仕上げ工事に入っています。この段階になると、塗装屋さん、タイル屋さんなどの仕上げを担当する職人さん達が登場してきます。タイルの割り付け方や細かな納まり、塗装の色合いや質感など、設計図面では詳細に指示しにくい内容を現場で職人さんと打合わせて決めていきます。

特に難しいのは、塗装色。ちょっとした色合いの違いで全く異なる雰囲気になりますし、色だけでなく、ツヤや質感も、空間の雰囲気を大きく左右します。塗装色を決める際には、何種類か塗装サンプルを作ってもらい、実際に現場にサンプルを並べて、見比べて決めていきます。

塗装が塗られると、室内の雰囲気が更にがらっと変わるはずです。工事完了まで残り10日。ここまでくれば設計者が決めることは、ほぼ終わりに近づいています。最後の引き渡し書類や完了検査申請書類の作成・提出、増減金額のまとめなど、そろそろ事務的な手続きを進めていかなければ。

床タイル張り
塗装サンプル
塗装下地

「上越高田の家」4/27(土)〜4/28(日)完成見学会を開催します

上越高田の家」施主さんのご厚意により完成見学会を行うこととなりました。ぜひこの機会に空間を体験してみてください。高田城の堀の傍に建つ木造2階建ての住宅です。敷地のさまざまな方向に見える景色を積極的に室内に取り入れた、とても景色の良い住宅です。窓の外には、お堀の桜並木や遠くの山の稜線が望めます。仕上げ材には、無垢材フローリングや漆喰塗装を採用し、自然の木の香りのする心地よい室内空間を実現しています。設計および建築途中の進捗写真などはこちら

開催日程は
4/27(土曜)10:00〜17:00
4/28(日曜)10:00〜17:00
となります。住所は新潟県上越市西城町となります。詳しい情報等は、メールまたは電話でお知らせいたします。
お気軽にご連絡ください。
メール design-studio.kaneko@nifty.com
電話 050−3552−4649

構造・規模:木造2階建て
建築面積 : 90.82㎡ (27.47坪)
延べ床面積: 153.04㎡ (46.29坪)

模型内部写真02
模型内部写真03
模型内部写真01
模型内部写真05
模型内部写真04

「上越高田の家」風景を切り取る窓

「上越高田の家」現場へ状況確認と今後の工程打合せにいってきました。ここ上越でも長い冬が終わり、桜が満開となりました。現場を訪れたのは、ちょうど上越高田城の桜が満開の時。建物の窓からは、ほんのりピンク色に花開いた華やかな桜色が目に入ってきます。

設計を進める際に意識したのは、窓の外から、お堀の景色や遠くの山々が望むこと、でした。敷地境界に対して、平行ではなくわざわざ建物の軸を振っているのは、この桜の樹々を望むためでもあるのです。ダイニング正面の窓には、お堀に掛かる赤い橋と桜並木、そして山の稜線。キッチンとワークスペースからは、お堀の水面や桜の樹々を望むことができます。

窓を採光や通風を採るためだけのものと考えるのではなく、風景を切り取るフレームとして考えること。フレームで周りの景色をマスキングすることで、その切り取られた部分だけに焦点が当たり、今まで以上に窓の外の景色を意識するようになる、そのような効果を積極的に活かして、窓の配置や大きさを設計しました。

桜が満開ということもあるのでしょうが、意図した通り、家の中どこにいても外の桜の風景が目に入ってきます。春の桜も良いですが、新緑の季節や蓮の花の季節など、一年を通して季節の移り変わりを楽しめそうです。

上越高田の桜
上越高田の桜
上越高田の桜
上越高田の桜

「上越高田の家」天井勾配による空間の変化

「上越高田の家」天井仕上げ工事が進んでいます。今回、天井仕上げに選んだのは、ウェスタンレッドシダーです。赤みと白みのコントラストが強い、独特の表情を持つ材です。ランダムな木の風合いが木の温かみを感じさせてくれます。

ウェスタンレッドシダーを勾配天井に貼ったことで、より天井の勾配が強調されたようです。今回の建物は、棟ごとに異なる天井勾配を設けています。ダイニング部分は天井勾配を強くして、メリハリの効いたシャープな空間に。リビング部分は緩やかな天井勾配として、ゆったりと落ち着いた空間に。天井の勾配ひとつ変えるだけでも、空間の雰囲気は随分と異なります。

ウェスタンレッドシダー仕上げ
ウェスタンレッドシダー仕上げ
ウェスタンレッドシダー仕上げ

「上越高田の家」ダイニングテーブル天板選び

「上越高田の家」ダイニングテーブルの天板を選ぶため、お施主さんと材木屋さんへ行ってきました。伺ったのは、新潟市小須戸にある材木店・製材所の新発田屋さん。材木倉庫の中には、一人で持ち上げられないほど大きなカウンター材から手頃な大きさの板まで、所狭しと材木が積み上がっています。

ここで材木を見たら、無垢材と一言でいっても、数えられない程の種類があることに驚くはずです。また同じ樹種でも、柔らかな表情の木、ハードな印象の赤みのある木、曲がった木やまっすぐな木、特殊な杢目の入った板まで板一枚一枚に表情があり、どの一枚をとっても全く同じ表情のものはありません。

その中から施主さんが目を心を惹かれたのは、神代タモ(じんだいたも)。神代とは、千年以上前の太古の時代から土の中に埋まっていた木の事を呼ぶようです。土の中にありながら千年以上も腐ることなく、存在していた貴重な材です。そんな木には、神が宿っているとされています。どうやらお施主さんは、この木に呼ばれてしまったようです。

材木との出会いは、運命だと思います。皆さんも一度、本物の無垢材を実際に見て、触って、体験してみてはいかがでしょうか。一生付き合える、これだ!という一枚に出会えるかもしれません。(3枚目の写真は、互いに拝み倒す新発田屋さんの社長とお施主さんの図)

無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び

「上越高田の家」大工工事進行中

現場確認のため「上越高田の家」へ。設計者は、設計図面を描くだけが業務ではありません。図面通りに現場の工事が進行しているか確認したり、図面で表現しきれない箇所を職人さんと打合せしたり、変更に対する増減金額を調整したりと、現場が進んでからも処理しなければいけない業務がたくさんあります。

現場へ着くと、大工さん、板金屋さん、電気屋さん、設備屋さん、塗装屋さん、家具屋さんと、立て続けに質問責めに。既製品を組み合わせて作る決まりきった建物ではないため、設備配管の位置や細かな納まり、仕上げ材の貼り方向や色味・艶の選定、照明器具の位置や配線などなど、決めていかなければいけない事が多岐に渡ります。

昼過ぎに始まった打合わせも気がつけば、もう夕方近く。面倒臭がらず、これだけ熱心に現場で働いてくれる、モノづくりに前向きな職人さん達がいるから、設計者が設計した(複雑な!)住宅が作れるのです。職人さん達に感謝です。

近年、ローコストとスピードだけを目指した商品化住宅が多くなっています。確かに安くて速く出来るのでしょうが、それによって現場のモラルや職人の技術が低下してきているようにも思います。私のような小さな設計事務所に出来ることは多くはありませんが、技術と知識のある職人さん達とこだわりのある仕事を続けることで、建築業界が劣化しない助けに少しでもなればと思います。

上越高田の家大工工事
上越高田の家大工工事
上越高田の家大工工事

「上越高田の家」外壁杉南京下見板貼り

「上越高田の家」今年は珍しく、上越でも積雪が少ないため外回りの工事が順調に進んでいます。例年であれば、春までは屋根や外壁などの外回り工事は完全に止まってしまうのですが。

今回、外壁に採用したのは「杉南京下見板貼り」です。この工法は、上越地域で昔から伝統的に採用されていた外壁材で、昔ながらの建物には必ずと言って良いほどこの外壁材が貼られています。杉板という材料が最も安価で手に入り易かった事、また、積雪の多い地域において耐湿性・耐候性の高い材料という事から採用されていたのかもしれません。

サイディング貼りや板金貼りの建物が多い中、昔ながらの杉板貼りの建物は、なんだか懐かしさを感させます。着色も、敢えてアンティークな雰囲気になるような塗料を選び、新築でありながら、まるで以前からそこにあったような雰囲気をまとっています。また自然素材は、見る人に心理的な安心感を与えてくれるような気がします。

メンテナンス性や耐候性、コストなどを考えれば、サイディング貼りや板金貼りに軍配が上がるのでしょうが、自然素材には、それらを補って余りある独特の質感と特質があるように思います。

杉南京下見板貼
杉南京下見板貼
杉南京下見板貼

「上越高田の家」大工工事進行中

「上越高田の家」年末の建て方作業から年末年始の休暇を経て、現場の作業が再開しました。柱と梁の骨組みだけだった建物に屋根下地材と外壁下地材が貼られ、室内空間の骨格が見えてきました。

敷地に対して建物の角度を振り、ダイニングの正面に遠くの山々やお堀の橋などの景色を望めるよう、意識しました。景色の良い敷地の特性を積極的に活かす設計としています。

人の意識というものは、壁で囲われ視線が絞られることで、その切り取られた景色へとより意識がいくようなります。大きな開口部でフレーミングされた視線の先には、どのような景色が見えるのか、今から楽しみです。

外装大工工事
外装大工工事
外装大工工事
外装大工工事

「上越高田の家」棟が上がりました

「上越高田の家」建て方作業、2日目。新潟の冬の季節にしては珍しく、雲一つない青空が広がっています。朝一番、酒、塩、水で建物の四周を清め、お祓いをしてから作業を開始します。今回の建物は、平面形状も斜め、断面形状も斜め、という事もあって、継ぎ合わせ箇所に微妙な角度がついており、梁を組むのに予想以上に手間がかかっています。通常であれば、1日で建て方をするのですが、今回は2日に渡って建て方作業をしていきます。

夕方まで掛かって、何とか棟梁まで組み上げ終了。無事に上棟を迎えることができました。骨格の組み上がった建物の中に入って「ダイニングの窓からは遠くの山の稜線が見えるな」「こちらの窓からは空が綺麗に見えるな」と早速、空間の雰囲気や見える景色などを確認。実際に建ち上がった空間の雰囲気を見ながら、ちょっと窓の高さや大きさを変えたり、窓を増やしたり減らしたり、間仕切り壁の位置を調整したりと、実際にその場に立って感じた感覚を元に、ちょっと補正すれば更に良くなるという所に変更を加えていきます。

料理でいうと、レシピ通りに材料や調味料を加えた所で、ちょっと味見をして、その日の体調や気候に合わせて好みで少し調味料を足し加えたりするような感覚で。図面通りに材料を組み上げて、その空間の中に身を置き、周辺の環境に合わせて、ちょっと設計補正を加えるというように。設計者が設計図だけ見ているようでは、良い建物はできません。積極的に現場に脚を運んで、その空間を確認することが大事だと思います。設計者は、設計図を作っているのではなく、現実の空間を作っているのですから。

建て方作業
建て方作業
建て方作業
建て方作業