カテゴリー: 2018 上越高田の家

「上越高田の家」外壁杉南京下見板貼り

「上越高田の家」今年は珍しく、上越でも積雪が少ないため外回りの工事が順調に進んでいます。例年であれば、春までは屋根や外壁などの外回り工事は完全に止まってしまうのですが。

今回、外壁に採用したのは「杉南京下見板貼り」です。この工法は、上越地域で昔から伝統的に採用されていた外壁材で、昔ながらの建物には必ずと言って良いほどこの外壁材が貼られています。杉板という材料が最も安価で手に入り易かった事、また、積雪の多い地域において耐湿性・耐候性の高い材料という事から採用されていたのかもしれません。

サイディング貼りや板金貼りの建物が多い中、昔ながらの杉板貼りの建物は、なんだか懐かしさを感させます。着色も、敢えてアンティークな雰囲気になるような塗料を選び、新築でありながら、まるで以前からそこにあったような雰囲気をまとっています。また自然素材は、見る人に心理的な安心感を与えてくれるような気がします。

メンテナンス性や耐候性、コストなどを考えれば、サイディング貼りや板金貼りに軍配が上がるのでしょうが、自然素材には、それらを補って余りある独特の質感と特質があるように思います。

杉南京下見板貼
杉南京下見板貼
杉南京下見板貼

「上越高田の家」大工工事進行中

「上越高田の家」年末の建て方作業から年末年始の休暇を経て、現場の作業が再開しました。柱と梁の骨組みだけだった建物に屋根下地材と外壁下地材が貼られ、室内空間の骨格が見えてきました。

敷地に対して建物の角度を振り、ダイニングの正面に遠くの山々やお堀の橋などの景色を望めるよう、意識しました。景色の良い敷地の特性を積極的に活かす設計としています。

人の意識というものは、壁で囲われ視線が絞られることで、その切り取られた景色へとより意識がいくようなります。大きな開口部でフレーミングされた視線の先には、どのような景色が見えるのか、今から楽しみです。

外装大工工事
外装大工工事
外装大工工事
外装大工工事

「上越高田の家」棟が上がりました

「上越高田の家」建て方作業、2日目。新潟の冬の季節にしては珍しく、雲一つない青空が広がっています。朝一番、酒、塩、水で建物の四周を清め、お祓いをしてから作業を開始します。今回の建物は、平面形状も斜め、断面形状も斜め、という事もあって、継ぎ合わせ箇所に微妙な角度がついており、梁を組むのに予想以上に手間がかかっています。通常であれば、1日で建て方をするのですが、今回は2日に渡って建て方作業をしていきます。

夕方まで掛かって、何とか棟梁まで組み上げ終了。無事に上棟を迎えることができました。骨格の組み上がった建物の中に入って「ダイニングの窓からは遠くの山の稜線が見えるな」「こちらの窓からは空が綺麗に見えるな」と早速、空間の雰囲気や見える景色などを確認。実際に建ち上がった空間の雰囲気を見ながら、ちょっと窓の高さや大きさを変えたり、窓を増やしたり減らしたり、間仕切り壁の位置を調整したりと、実際にその場に立って感じた感覚を元に、ちょっと補正すれば更に良くなるという所に変更を加えていきます。

料理でいうと、レシピ通りに材料や調味料を加えた所で、ちょっと味見をして、その日の体調や気候に合わせて好みで少し調味料を足し加えたりするような感覚で。図面通りに材料を組み上げて、その空間の中に身を置き、周辺の環境に合わせて、ちょっと設計補正を加えるというように。設計者が設計図だけ見ているようでは、良い建物はできません。積極的に現場に脚を運んで、その空間を確認することが大事だと思います。設計者は、設計図を作っているのではなく、現実の空間を作っているのですから。

建て方作業
建て方作業
建て方作業
建て方作業

「上越高田の家」伝統的木組み工法

「上越高田の家」年末迫る時期ですが、本日、建て方工事が行われています。例年ですと12月下旬には、ここ上越は既に雪が積もっている季節ですが、今年はここまで珍しく雪が積もることがなく、順調に基礎工事を進め、建て方を無事に行えることが出来ました。雪が積もる前までに屋根を掛ける、という当初の予定工程は何とかクリアできそうです。

加工場で継手加工された柱梁材がトラックで現場に搬入され、敷地内に順番に並べられていきます。組み上げていく順番に、順序良く並べられ、クレーンで一本一本吊り上げ、組み上げていきます。材を組み上げていく順番を決め、順序良くタイミングを計って、吊り上げるのは大工棟梁の仕事です。この采配の仕方によって、進み具合が大きく変わってきます。大工棟梁はあちこち現場内を飛び回って指示を出しています。

柱梁の連結部には、凹凸状の継手加工が施されています。凹穴に凸部を差し込み、更に抜けないよう横から込み栓(木栓)を打込みます。継手加工部や木栓は少しテーパー状になっており、木栓を打込むことで、継手部分がきっちり、がっちりと締まっていきます。逆に木栓を取り外せば、簡単に解体して材を再利用することができます。日本の伝統的木組み工法。合理的でエコロジーな工法だと改めて感じました。

仕口
仕口
建て方

「上越高田の家」手刻み加工について

「上越高田の家」現場では基礎工事が進行中ですが、工務店の加工場では大工さんが柱梁の加工作業に入っていました。今回、施工をお願いしている久保田建築さんは、大工さんの手加工(手刻み)技術を売りにしている工務店です。今回の加工も手加工(手刻み)でお願いすることになりました。

まずは材木に墨汁で墨付け(どのように加工するかの下書きを材木に墨で書き入れること)を行い、続いて丸鋸やノミなどの加工道具を使って、仕口と呼ばれる材木の組み合せ部分を削り出していきます。今回は、斜めに納まる部分も多く、部材の取り合う角度が複雑なため、大工さんの加工の腕が頼りとなります。継ぎ手の加工形状には、「ほぞ差し」、「腰掛け蟻継ぎ」、「腰掛け鎌継ぎ」、「大入れ蟻落とし」、「胴差し」など様々な種類があります。取り合う場所毎に加工形状を替え、加工を施していきます。

機械加工の「プレカット」と、手加工による「手刻み」。両者の違いは何かと一言でいえば、手刻みだと木の一本一本の性質(癖)を見極め、ひと手間加えることが出来るということでしょうか。仕口をいうのは、凹凸をパズルのように組み合わせるものですので、組み合わせ部分をキツめにしたり、緩めにしたりと、木に材質毎に調整をするので、きっちりと組み上がっていきます。手加工ですと、その見極めを丁寧にできるというのが大きなメリットです。ただし、デメリットとしては、プレカットと比べて割高で、かつ、加工時間が掛かかります。

近年、手刻みをする大工さんが少なくなってきていますので、日本の高度な手加工技術を後年に渡って伝えていく為には、このような昔ながらの加工技術を敢えて選択していくのは貴重なことだと思います。ちなみに今回担当してくれる棟梁は、大工さんの中でも若手の方です。このような若い大工さんが腕を磨き、技術を後世に繋げていくのは建設業界にとって、とても大事なことです。

手刻み加工
手刻み加工
手刻み加工
手刻み加工

「上越高田の家」基礎工事

「上越高田の家」現在の現場は、基礎工事中です。基礎が曲がっているように見えるかもしれませんが、間違って配筋した訳でなく、目の錯覚でもありません。今回の建物は棟ごとに、少しづつ角度がついた建物なのです。よって、基礎にも角度をつけて配筋しています。

各部分とも直角に交わってくる訳ではありませんので、取り合いがより複雑になってきます。特に角度のついた登り梁の取り合いは、とても複雑になってきます。それでこそ、大工さんの腕の活かしどころ!と勝手に設計者は言ってますが。現場での加工は至難を極めます。手を掛けた分だけ、よい空間が生まれることを信じて進めてきましょう。(現場への励ましを込めて)

雪国での建築工事は、冬場は天候との戦いです。雪が積もるまでに何とか屋根まで掛けようと、現場は急ピッチで進んでいます。今年は例年よりも積雪が遅く、ここまで何とか順調に工事は進んでいます。この天候が持つことを天に祈りつつ。

基礎配筋
基礎配筋

「上越高田の家」現場工事スタート

「上越高田の家」いよいよ現場工事がスタートいたします。まずは敷地内に建物の位置を出し、位置の確認を行います。続いて、敷地レベルを測定し、設計地盤面を決めていきます。大体において敷地は水平ではなく、傾斜していたり、一部が高かったり、低かったりします。そこで実際の敷地の各場所の高さを測り、いわゆる平均的な地盤レベルを決めていきます。

道路よりも敷地が低かったりした場合には、水はけを良くする為、盛り土をしたりして、敷地レベルを調整していきます。基礎を作る際には土を掘削するので、その土を上手く転用して使うことで、コストを上げることなく、敷地の水はけを良くするということも可能になります。

測量器を使って計測し、建物の位置とレベルを確定。まずは地盤改良から工事がスタートしていきます。

敷地測量
敷地測量
敷地測量

「上越高田の家」再びスタディ模型作製

「上越高田の家」新たな平面案がまとまってきたので、再びスタディ模型を作成中です。平面図だけでは、実際にどのような室内空間が立ち現れてくるのか、簡単にはイメージできないかと思います。特に平面に角度がついていたり、天井に勾配がついていたりと、複雑な構成の平面の場合、設計を仕事にしている私たちでも容易にその空間をイメージすることはできません。

そこで、スタディ模型が登場します。スタディ模型というのは、ボードを切り出し、接着材で貼り合わせて作った100分の1程度の小さな模型のことです。模型の中も覗けるよう、テーブルや椅子、キッチンカウンターなども、場合によっては作り込んでいきます。模型の中を覗けば、小さな小人になったように、その空間を疑似的に見ることができます。

スタディ模型作成
スタディ模型作成
スタディ模型作成

「上越高田の家」平面スタディ

「上越高田の家」施主さんとの打合せ内容を元に、平面案を練り直しています。一つの案だけでは、その案が本当に、施主さんの生活イメージに合った空間となっているかは分かりません。そこで前回の提案とは異なる方向性で改めて平面案をスタディしています。

前回の案で良かった部分を活かし、更に施主さんの要望も盛り込み、新たな案を練っていきます。敷地図の上にトレーシングペーパー(半透明の紙)を重ね、ペンで書き込み、考え、消し込み、更に書き加え、考えと、何度も何度も納得いく案が出てくるまで、根気よくペンを走らせます。

ペンを走らせていくとある時に、あっという面白い案に辿り着きます。アイディアスタディする際は、手をひたすら動かす思考方法が、私には合っています。

平面スタディ
平面スタディ

「上越高田の家」スタディ模型、完成

「上越高田の家」まずは一つ目のスタディ模型が完成しました。今回の提案は、敷地の上をくねくねと折れ曲がる、細長い平面の建物です。

建物の向きを視線の抜ける方向へ向けることで、室内に居ながら、お堀の橋や桜並木などが窓の外に見えるよう、調整しています。室内を歩けば、至る所で視線が抜け、まるで街の中を歩いているような変化のある空間体験ができます。

こちらの案を元に施主さんとの打合せがスタートしていきます。こちらの案に修正を加えていくことで、より施主さんの好みに合った建物へと近づけていきます。

高田の住宅スタディ模型 高田の住宅スタディ模型 高田の住宅スタディ模型

「上越高田の家」スタディ模型、作製中

「上越高田の家」スタディ模型を作製中です。 「金子さんらしい設計でお願いします。遊び心満載が好きです。」と施主さんからのお言葉。金子らしく自由に考えて欲しいとのこと。嬉しいことですが、それだけにプレッシャーも大きく感じます。

まずは一案、考えてみました。平面を元に早速、スタディ模型を作製。今回提案するのは、複雑な角度がついた建物です。スチレンボードからカッターを使って床や壁を切り出し、接着剤で貼り付けていきます。直角がずれないよう金尺をあて、くっつくまできちんと待つことが大切。

変化ある空間、動きのある空間をイメージしつつ。模型を作っては考え、考えてはまた作る。手を動かすことで、新たなアイディアが生まれてくることも。

スタディ模型作製中 スタディ模型作製中 スタディ模型作製中

「上越高田の家」平面スタディ

「上越高田の家」現在、先日作成した周辺模型を眺めながら平面をスタディ中です。最近は図面をパソコン上で(つまり、図面作成ソフト=CADで)書く事が多いのですが、最初の段階だけは、敷地図の上にフリーハンドで描き始めます。

なぜかと言えばその方が、基準線や敷地形状に縛られず、自由に線を走らせることができるからです。パソコン上で平面を描いていると規則的な形状が生まれ、手で平面を描いていると、くねくねと自由な線の動きが現れてくるような気がします。作り出す道具(ペン、又はパソコン)が、その形を決めていく、そんな感じ。

あまり深く考えすぎず、先ずは何案も何案も、手の動きに任せ、平面をスタディしていきます。手を動かすことで、頭の中がクリアになってくるまで。すると次第に手の動きと頭の中が直結していきます。しっくりくる案に至るまで、繰り返し、繰り返し、スタディを続けていきます。

平面スタディ 平面スタディ