カテゴリー: 2009 岩室の家

「岩室の家」桧(ヒノキ)仕上げ浴室

「岩室の家」こちらの家の浴室は、ユニットバスでなく、昔ながらの在来工法で作っています。壁・天井には桧(ヒノキ)板、床には鉄平石を貼り、浴槽の前に設けた窓からは、坪庭の緑が眺められる作りとなっています。

竣工から10年後の浴室の写真です。浴室仕上げに木を採用すると、カビが発生したり、板が痛んだりするという、話をよく聞きますが、水が切れが良い納まりとすれば、写真のように全く問題なく使うことができます。(ただし、風呂上りには換気扇を回す、または、窓を少し開けて湿気を逃がすなどした方がベターです。)

ヒノキは、見た目の落ち着いた雰囲気だけでなく、木の香りがとても良く、10年経った今でも、ほのかに桧の良い香りが漂ってきます。窓の外の樹々を眺め、ヒノキの香りを楽しみながら、浴槽に使っているとリラックスして、ついつい長湯になってしまいます。明るい時間から浴槽に浸かって、風呂上がりに冷えたビール、という贅沢もたまには良いかもしれませんね。

ヒノキ仕上げ浴室
ヒノキ仕上げ浴室

「岩室の家」玄関アプローチについて

岩室の家」は、道路から少し奥まった部分に玄関があり、そこへは格子戸を開け、ちょっとした通り抜け庭からアプローチしていくことになります。玄関開けたら、いきなり道路ではなく、できる事なら道路からの引きを設けて、少し歩ける程度のスペースを確保したいものです。それだけで建物の格がずいぶん上がります。狭い敷地でなかなか余裕がないという事もあるかもしれませんが、道路から直接玄関が覗けないようにする、少し回り込んでアプローチするなど、工夫次第で対応可能なケースもあるはずです。

竣工当初、殺風景だった「岩室の家」の玄関アプローチには、今では敷石が敷かれ、下草や苔が定着し、とても落ち着いた雰囲気の空間になっています。やはり建築というものは、建物だけでは成立せず、庭や樹々などの周辺環境が存在してこそ、引き立つものなのだと改めて感じさせてくれます。予算的に建物本体の工事分だけで精一杯、という方もいるでしょうが、できれば外構工事や植栽工事に余裕を持って予算を組んでいただいた方が、掛けた金額以上に建物の見栄えが一層引き立つのは間違いありません。場合によっては庭の植栽などは、自分たちで少しづつ整備するなど、お金でなく時間を掛ければできることもあります。

実はこちらの「岩室の家」の通り抜け庭は、ネットやオークションなどで樹を購入し、施主自らが樹を植えて作った庭です。特に庭などは、一気に作るのではなく、樹々の配置バランスを見ながら、少しづつ時間を掛けて(場合によっては数年掛けて)、植え足していくのが良いかもしれません。本来、庭という自然は、一朝一夕で作るものではありませんので。

玄関アプローチ
玄関アプローチ
玄関アプローチ
玄関アプローチ

「岩室の家」町並みに溶け込む建ち方

「岩室の家」の外観は、一見すると普通の家に見えるかもしれません。それくらい町並みに溶け込んで見えます。こちらの家の設計条件は「瓦屋根をのせること」でした。学生時代からモダニズム建築を学んできた私にとって、この設計条件は非常に悩ましいものでした。何も考えずに瓦屋根をのせれば、ただの昔ながらの民家になってしまいオリジナリティがないし。。。などとその時には頭を悩ませていました。その時はただ自己主張したいという思いだけが、先に立っていたのかもしれません。いわゆる、設計者のエゴです。若さもあったのでしょう。

頭を悩ませるうちに設計者のエゴを捨て、腰を据えて昔ながらの日本の建築、民家ときちんと向き会ってみようと考えるようになりました。昔ながらの普通に見える建物であっても、今まで現代建築を学んできた自分の感性を持って設計すれば、きっと異なるものになるのではないか、そんなことを考えて「岩室の家」を設計しました。玄人的な視点で建物の細部を見れば、屋根端部の繊細さや窓枠の納まりなど、現代的な感性が見てとれるはずです。

外観のプロポーションは、昔ながら行なわれてきたその地域の屋根勾配を踏襲して決めています。設計者が決めたのではなく、昔ながらのその土地環境が決めたといっても良いでしょう。そのため、周囲の家屋の屋根形状、勾配と全く同じに揃っています。町並に揃える。建物単体でなく、その町並み全体を見据えた上でデザインを決めていくこと。建築単体に固執することなく、一歩引き、更に大きな視点で見る。そうすることで町全体が調和し、美しさが増していくのだと思います。

街並を揃える 002 003

「岩室の家」6年目の杉板外壁の表情

「岩室の家」の外壁は杉板貼りです。杉板の表面には仕上げ鉋を掛けず、荒加工のまま、杉板表面を塗装せず、素地仕上げで外壁に張り込みました。竣工当初は肌色に近い明るい色目だった杉板は、6年の時を経て、落ち着いた灰色へと表情を変えています。灰色の外壁が庭木の緑の背景となり、より一層緑を引き立てています。杉板の白身の部分(柔らかい分)は雨風に削られ、赤身の部分(木目の硬い部分)が残り、うづくり加工をしたように木目がきれいに浮き出して見えます。

自然素材を仕上げに使う良さは年月とともに、味わいを増していくことだと思います。近年の工業化された外壁材ではこのような味わいは実現できません。新建材では、経年変化は、劣化や汚れとして見えてしまいます。自然素材を使う為には、定期的なメンテナンス必要となり多少手間が掛かってきますが、この表情は何にも代え難い価値だと思います。唯一、時間だけが作り出せる価値です。数年後、更にどんな表情へと変化していくのか、とても愉しみです。

杉板経年変化
杉板経年変化
杉板経年変化

岩室の家 木の建築賞「住宅賞」受賞

岩室の家が木の建築賞「住宅賞」を受賞いたしました。
NPO木の建築フォラムHP
施主さんに恵まれ、家作りに関わった多くの職人さんたちに恵まれたことで
賞を受賞できたのだと思います。関係者の皆さまに心から感謝いたします。
岩室の家
」では、地域に昔からある地場産業の加工技術と地場産材を活かすことで、
その地域ならではの固有の表現が生まれたのではないかと感じています。
昔ながらの知恵や技術には、いま改めて見ても、
理にかなっていて、エコロジーで、素晴らしいものが多くあります。
このような知恵や技術を現代的に再解釈し、積極的に生活の中へと取り入れ、
今後も家作りのデザインに活かしていきたいと思っています。

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変化する建築

岩室の家へ。
障子に落ちた樹々の影が、とても美しい。
季節や天気などの自然の移り変わりにより、
日々刻々と建物の表情が変化していきます。
まるで、動かない建物に自然が生命力を吹き込んでいるかのよう。
竣工して4年の月日が経ち、室内に使われた木の色は
程よくしっとりと馴染んできているように感じます。
まさに「住む人とともに、歳をとる家」

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岩室の家 製作ステンレス引手取り付け

以前、金物工場で製作してもらった木製建具のステンレス引手。こちら建物は、庭に面した壁面側は全面ガラスで構成されています。外の庭を見るのに、引手の方が目立ってしまっては台無しです。そのため、ハンドルが目立ち過ぎないよう、繊細なステンレス丸棒を工場で溶接してつくった特注の引手を取り付けてあります。普段はあまり目立たないように、しかし、手をかけた時にはがっちりとした掴み心地で。ステンレスの無垢棒を使った持ち手はとても頑丈で、安心感を感じます。そんな小さな見え方や触り心地に気を使い、積上げていくことが、建物としての質を上げていくことに繋がるのだと思います。

木製建具製作ハンドル 木製建具製作ハンドル

岩室の家 2回目の冬

雪が積もり、いよいよ新潟に冬が訪れました。
岩室の家は今年で2回目の冬。
夏に開け放していたリビングの開口部は、
冬の間、障子戸を閉めて生活をします。
こちらの障子には、「小国和紙」の手漉き和紙を使いました。
庭の雪に反射した明かりが、障子を通して、柔らかく室内に差し込んできます。
手漉きのならではの独特の質感。
時間とともに変化する明かりを見ていると、時間の流れを忘れてしまいます。

小国和紙 002_3 003

岩室の家 木の色目変化

岩室の家を訪れる。竣工してちょうど2年。庭の樹々は大きく育ち、青々と葉を茂らせています。
天井に張った杉板や檜の床材は、竣工当初に比べると、次第に飴色へと変わり、落ち着いた雰囲気になってきています。時とともに変化していく、木の味わいというのは良いですね。

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岩室の家 黒皮スチールと無垢板のテーブル

こちらは、岩室の家で製作したダイニングテーブル。
スチール黒皮仕上げの脚と、無垢材の天板。
無骨でシンプル。
少し厚めのカウンタートップと、華奢なスチール脚。
この対比性が個人的には好みです。
天板の素材を変えるとまた、がらりと雰囲気が変わります。

黒皮と無垢材のテーブル 黒皮と無垢材のテーブル 黒皮と無垢材のテーブル

岩室の家 自然と共に過ごす暮らし

新潟は朝から秋晴れ。ちょっと時間を見つけて岩室の家へ。
丁度、庭の樹々が赤や黄色に色づき始めています。樹々の変化で季節の移り変わりを感じます。
日々、葉が色を変え、花や実をつけ、葉を落とす。自然と共に過ごす風流な暮らし。

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岩室の家 オープンハウス開催

岩室の家も完成間近。今回は今までに無いくらい、多くの人たちの手間と時間をかけて、家が出来上がりました。既製品をなるべく使わず、地場産業の技術を使って家作りをしようという試み。
私なりの和の家の解釈がここにあります。今月末、30日、31日とオープンハウスを開催します。
皆さんはこの住宅を見て、どの様に感じるのでしょうか?是非、皆さんのご意見、ご感想をお聞きしたいと思っています。多くの方のご来場をお待ちしています。

新潟岩室の家 新潟岩室の家 新潟岩室の家 新潟岩室の家