カテゴリー: 2008 蓮野の平屋

「蓮野の平屋」障子に移る樹々の影

「蓮野の平屋」の南側には、大きな開口が設けてあります。開口部に設けられた大きな木製引き戸を開け放てば、デッキテラスとシームレスに視線が繋がり、窓外の青々とした竹林が目の前に広がります。

開口部に設けられた障子戸を閉めれば、障子を通した柔らかな明かりが室内を満たし、先ほどまでの開口的な空間が一転、しっとりとした雰囲気の空間が現れます。障子には、風に揺れる樹々が陰を落とし、風でさらさらと揺れています。障子を閉めていた方が(障子を開けているよりも)、日差しが強弱を繰り返し、影が揺れるなどの外部の環境変化を感じる事ができます。

写真のように、障子の開け閉めだけで、ここまで空間の印象は変化します。窓を開けた開放的な空間も良いのですが、この障子を閉めたしっとりとした籠り感のある空間もまた違った味わいがあります。障子を開け閉めすることで、その時の季節に、その日の天候に、自分の気分に応じて、空間の雰囲気を調整することができます。

大開口窓 障子に映る影

 

 

「蓮野の平屋」竣工写真撮影

朝から始まった撮影は、昼過ぎに撮影終了。写真家のNOJYOさんは多くのカット一枚一枚、時間をかけて撮ってくれた様です。クライアントのIさん、撮影協力ありがとうございました。また違った季節にも、お邪魔させてくださいね。居心地の良さに、ついついゆっくりと長居してしまいました。
NOJYOさん撮影の竣工写真はこちらにアップしました。

蓮野の家竣工写真撮影
蓮野の家竣工写真
蓮野の家竣工写真

「蓮野の平屋」竹林を借景として取り込む暮らし

窓で切り取られた竹林を眺めながら、ゆったりと時間を掛けで竣工写真の撮影をしています。

風にそよぐ、竹の葉のさらさらという心地よい音と、窓から入り込む陽の光。ここにいると外の音や陽の光を、いつもより敏感に感じるような気がします。あまりの心地よさについついのんびりしてしまいます。この家に住んでから、めっきりテレビを見る時間が減った、と旦那さん。その感覚、わかります。まるで別荘にいるような気分です。窓の外の緑の表情を眺めていると、季節の変化にも敏感になれそうです。

こちらの敷地、施主さんが何年も掛けて探した、竹林沿いの敷地でした。その敷地の特性をできるだけ活かし、借景として取り込もうと、設計の際に考えました。家のどこにいても、竹林の鮮やかな緑が目に入ってきます。

竹林の借景 竹林の借景 竹林の借景

「蓮野の平屋」竣工写真撮影

昨年竣工した「蓮野の平屋」へ写真撮影に伺ってきました。撮影に同行してくれたのは写真家のNOJYOさん。忙しい仕事の合間を縫って、湘南から車を飛ばしてきてくれました。場所は新潟県聖籠町。新潟市内から車だと30分くらい。

敷地裏には、竹林と神社の境内が広がる絶好のロケーション。緑のきれいな新緑の季節に撮影をと施主さんにお願いし、お邪魔してきました。施主さんご夫婦は、くねくねとしたワンルーム空間をとても上手く使いこなし、そこかしこにポイントとして置かれた家具や小物はとても上品。まるでインテリアショップのような美しい空間となっていました。センスの良さに脱帽です。あまりの居心地の良さについつい長居をしてしまいました。インテリア小物 インテリア小物 インテリア小物

「蓮野の平屋」屋根垂木構造表し

「蓮野の平屋」屋根下地工事が完了しました。現在、屋根が出来ただけで、まだ外壁が無い状態ですが、隣地の緑の樹々がフレーミングされて見えるのが、とても印象的です。このまま全面を開放した空間構成というのも、魅力的ではあるのですが今回は、各部に壁を設けて、場所ごとに緑の風景を切り取っていく、方針です。

屋根に見えている連続的な構造材=垂木(たるき)は、このまま室内に表しとなって見えてきます。規則正しい繊細なリズムが、日本的な美しさを表現しているように感じます。構造材を表しにするには、それなりに手間がかかるのですが、その手間を差し引いたとしても、実現したいと感じる魅力があります。

屋根構造垂木表し 屋根構造垂木表し 屋根構造垂木表し

「蓮野の平屋」建て方工事

「蓮野の平屋」本日、建て方工事です。クレーンを据えて、トラックで順番に運ばれてくる柱梁材を一本一本吊り上げ、組み上げていきます。

今回、屋根垂木は構造部材であると同時に、仕上げ材として内部に現れてくる材料です。材料に傷をつけないよう、釘が内部に見えないよう、慎重に作業をしてもらいます。設計者である私も、大工さんの後ろを追いかけては、そこは釘をこっちから止め付けてくれ、ここの納まりはこうできるか、など直接、大工さんへ指示を出していきます。架構組もみがそのまま表しになる建物は、いつもより気を使います。

朝から始まった建て方工事、夕方には無事に加工が組み上がりました。何とか、雨が降る前に、屋根貼り工事を終わらせてしまいたい所です。内部に現れる架構組、できれば濡らしたくないので。(雨に濡れると雨跡がついたり、木のアクが出る可能性があるので。)建て方の後、数日は雨の降らないという天気予報に合わせて建て方日を設定してはいるのですが。建て方が終わってもしばらく気が抜けません。

建て方工事 建て方工事 建て方工事

「蓮野の平屋」基礎工事

「蓮野の平屋」いよいよ工事がスタートしました。現場では基礎工事が始まっています。一部、敷地境界の傾斜地ぎりぎりまで建物を寄せているので、基礎の手前まで竹林が迫っているのが写真でも分かります。

隣地の一方には傾斜地と竹林、もう一方には神社の鳥居と鎮守の雑木林。これらを借景として、室内に積極的に取り込む住宅を作っていきます。

基礎工事 基礎工事

「蓮野の平屋」架構模型作成

「蓮野の平屋」現在、施主さんと打合せを重ね、プラン調整が着々と進行中です。プラン検討と並行して、屋根架構をどのように作るか、検討を進めています。

今回の建物は、片流れ屋根が特徴的な形ですので、その屋根組みの架構をそのまま室内側に見せられないかと考えています。ただ屋根架構を見せるとなると、耐震性や防水性、断熱性などの建築的な性能を満たすだけではなく、どう屋根材を組めば美しく見えるか、つまり美観性も同時に検討していく必要が出てきます。

ですので現在、屋根の架構模型を作りながら、検討を進めているところです。屋根を支える垂木の間隔を通常よりも細かく入れ、規則的なリズムを持たせてています。特に納まりが難しいのは、屋根が折れ曲がっていく、切り替わりの個所。模型上で、どのように納めれば、きれいに見えるか、検証を重ねています。また、現場で実際に作る際に施工上、問題になりそうな部分を模型で事前に拾い出していくというのも、模型を作る目的でもあります。

屋根架構模型 屋根架構模型 屋根架構模型

「蓮野の平屋」模型内部写真

「蓮野の平屋」模型の内部写真です。片流れ屋根の形状がそのまま、室内天井の形として表れています。V字型の平面形状によって、ワンルーム空間でありながら、キッチンからリビングが互いに見えないという関係性を生んでいます。建物内を移動していくと、次第に次の空間が視界に入り、奥へ奥へと移動してく、そんなイメージです。

竹林に面した側には、様々な大きさ、様々な角度の窓を設け、窓ごとに異なった竹林の風景が見えるよう、フレーミング操作を行っています。人というのは、いつも一定の安定した感情でいる訳ではありません。時には開放的に、時には籠るような感じにと、いろんな気分の時があります。そのような移り変わる気分に応じて、その場その場で場所を選べるよう、多様な場を設けようと、意識して設計をしました。

模型写真 模型写真 模型写真

「蓮野の平屋」提案模型

「蓮野の平屋」計画地の現地調査、施主さんへのヒアリング、設計検討を経て、提案プランが形になってきました。提案プランは、V字型平面を持つ平屋案としました。傾斜地に面した細長い敷地に、道路側に対しては閉鎖的に、傾斜地の竹林に対しては開放的にと、対照的な空間を構成をしています。

V字型の建物は基本的にはワンルーム空間。折れ曲がったワンルームのあちら側とこちら側で、互いの気配は伝わるが視線は通らない、という付かず離れずの関係性を作り出しています。

また建物に直角ではない、特徴的な角度をつけたのは、室内から見た際の傾斜地の竹林の見え方を考慮したため。ある場所では、手が届くほど竹林に近づき、ある場所では、距離感を持って竹林を眺められるよう引きの距離を設けています。場所ごとで、竹林の見え方が異なり、借景に多様性を生む、という事を意図しました。

蓮野の平屋提案模型 蓮野の平屋提案模型 蓮野の平屋提案模型

「蓮野の平屋」現地調査

「蓮野の平屋」雨の降る師走。雪が降って敷地境界が見えなくなってしまう前に、計画地の現地調に行ってきました。計画地は、道路と地元神社の間に挟まれた変形した敷地形状。道路の反対側は、傾斜地となっており、青々とした竹林が広がっています。

この変形した敷地にどのように建物を配置するか。設計者にとっては、なんとも悩ましい敷地条件ではありますが、この敷地の特性をうまく活かせるようなプランを考えていきたいと思います。

現地調査 現地調査