カテゴリー: 2013 燕ぎんなん保育園改築計画

「燕ぎんなん保育園」が「キッズデザイン賞」を受賞しました

新潟県燕市で設計した「ぎんなん保育園」が2015年キッズデザイン賞を受賞いたしました。この賞を受賞できたのは、このプロジェクトに関わってくれた多くの人たちの力あってのものだと思います。園長先生を始め、保育園スタッフや理事の方々、大工さんや施工関係者、市役所の担当の方々に改めて感謝いたします。この賞は私の事務所だけでなく、皆さんと共に受賞したものです。これからも設計を通して社会に貢献できるよう心掛けていきたいと思います。

審査員コメント(転記)
「建築空間自体を子どもたちの五感を育む装置と捉え、設計された曲線を活かした行き止まりのない空間、自然素材を使った内装仕上げが印象的である。見る位置、遊び方によって姿を変えるこの空間で、子どもたちはさまざまな思い出を育むことができるだろう。」

キッズデザイン2015 web
ぎんなん保育園受賞コメント

キッズデザイン賞新潟
燕ぎんなん保育園燕ぎんなん保育園

「燕ぎんなん保育園」竣工模型完成

先週から時間を見つけては作っていた1/50竣工模型が完成しました。床や壁には実際の建物に使われている仕上げと同じく木を仕上げ材を貼り込みました。最後にテーブルや椅子、棚をなどを作り込み、人形フィギュアを配置しました。内部を細かく作り込めば作り込む程、ただの空間から場の雰囲気というか、その空間の質のようなものが立ち現れてくるような気がします。

模型の中に目線を落として覗き込むと、(当たり前といえば当たり前なのですが)実際に出来た空間と同じ空間が広がっています。様々な曲率を持つ丸い壁で作られた室内空間は、遠くまで見通せる所があったり、視線が遮られ一人で籠れる場所があったりと、場所毎に異なる雰囲気の場を作り出しています。また模型を上から覗くことで、建物の中にいては見えみくい客観的な空間構成がイメージし易くなります。

竣工模型 竣工模型 竣工模型 竣工模型

「燕ぎんなん保育園」竣工模型を作製して思ったこと

昨年、竣工した燕ぎんなん保育園の竣工模型を作製しています。設計途中や工事途中にも検討用として模型は作るのですが検討用(スタディ)模型のため、作っては修正し、修正しては壊ししているうちに最終的な建物とは違ったものとなってしまいます。検討用の模型なのでそれが宿命といってしまえばそうなのですが。設計の業務は、図面を書いたら終わりというものではなく、現場が始まってからも、実際の空間を現地で確認して、窓や建具の位置を変更したり、仕上げの色目を調整したり、平面を修正したりと、竣工に向かってひたすら修正を重ねていきます。そのため当初作っていたイメージ模型とは少し異なる空間になることがあります。場合によっては竣工をした後に再び模型をつくって確認を行ないます。実際に出来た空間と同じ仕上げ材を貼り、天井高さや窓位置を現実と合わせて。

今回、模型を作って改めて思ったのは、こんな曲面しかない、大変な納まりの建物をよく実現できたなあということでした。曲面部材や合成梁など始めて作る工法や納まりに現場の職人さん達は頭を悩ませたことでしょう。それを諦めること無く、技術とアイディアを駆使することで実現してしまった職人さん達には、本当に感謝します。どんなに詳細に設計図面を書いても、それを作る技術も持った職人がいなければ、実現することは不可能ですから。

ぎんなん保育園模型 ぎんなん保育園模型 ぎんなん保育園模型

「ぎんなん保育園」竣工式が行なわれました

本日、ぎんなん保育園の竣工式が盛大に行われました。ピアノ、ギター、ホルンの生演奏に合わせ園児の皆さんの踊りが披露され、華やかさと、楽しさと、みんなの笑顔に満たされた空間。設計を始めてからここまで長かったなあと、とても感慨深くなりました。

保育園スタッフや関係者の皆さんを始め、工事に携わってくれた多くの職人さん達。皆さんに支えられてきたからこそ、ここまで大きく困難な仕事を達成できたのだと思います。設計者として足りない点も多くあったと思いますが、ここまでこれたのは皆さんのお陰と感謝しています。本当にありがとうございました。

ぎんなん保育園竣工式 ぎんなん保育園竣工式 ぎんなん保育園竣工式

「ぎんなん保育園」竣工から半年

新潟県燕市に建つ「ぎんなん保育園」こちらの保育園、私の事務所で設計し、建て替えを行ない、半年前に竣工を迎えました。竣工直後は引っ越しやら外構工事やらで落ち着いて時間が取れなかったため、このたび改めて竣工式を行なうことになりました。基本構想から実施設計まで約1年、工事期間約1年。設計監理をしている間は随分長丁場だったように感じていましたが、完成した今振り返ってみれば、あっという間の出来事のようです。今では園内を子供達が縦横無尽に走り回っています。玄関を入ると建物のずっと奥まで見渡せるため、私を見つけて「かねこさーーーん!」遠くから子供達が走り寄ってきます。

R型の保育室に囲われたクネクネとした遊戯室。あちらのスペースでは絵本を読んで聞かせたり、こちらのスペースでは歌を歌ったりと、子供達はもちろん、スタッフの方達も、この一風変わった平面の空間を存分に使いこなしているようでした。明日は竣工式。楽しみにしています。

新潟保育園設計 新潟保育園設計 新潟保育園設計

「ぎんなん保育園」曲面に囲われた柔らかな空間

ぎんなん保育園の各部屋は、曲面壁で構成されています。曲面の壁に囲われた内側は保育室。曲面に切り取られた外側は、遊戯室という裏表一体の空間となっています。遊戯室はさまざまな曲率の壁に囲われ、くねくねとどこまでも続いていくようです。杉の仕上げと相まって、とても柔らかな表情の空間になりました。ある場所では視線が遮られ、ある場所では遠くまで見えたりと、移動するに従い、見える風景が刻々と変化していきます。見る場所、見る場所によって異なる空間の中にいるようで、動くことの無い建築空間がまるで動いているように感じます。

保育園を訪れたのは、昼食後の自由時間。あちらでは本を熱心に読み、こちらではボールを使って飛び回ね、同じく空間の中にいながら子供達は、自由にさまざまな活動を行なっていました。この空間のように自由で柔らかな人へと育っていって欲しいと願います。

柔らかな空間 柔らかな空間 柔らかな空間 柔らかな空間

「ぎんなん保育園」引くというデザイン方法

ぎんなん保育園は木造平屋の建物です。平屋であることで床面積600㎡超と、かなり大きな建物になりました。基本構想の段階では2階建て案も検討しましたが、最終的には平屋案を採用しています。なぜ平屋としたのかというと、2階建てとすると子供達が2フロアに分かれてしまい、年齢の異なる子供達同士の交流が図れなくなってしまうのを避けることが一つの理由でした。それに加え、もう一つの理由がありました。敷地隣に建つ寺の本堂を隠してしまわないようにと、意図したことです。

本堂の瓦屋根はこの地域にとって、昔から変わらぬ風景であり、心の拠り所でした。その風景を隠してしまうのではなく、新たに建物が建つことでシンボリックに際立たせたいと考えたためでした。水平方向に伸びる平屋の園舎と垂直方向に立ち上がる本堂の瓦屋根。お互い異なる方向性を与えることで、互いが互いを強調し合っているように見えます。自らが主張するのではなく、敢えて引くことで環境を変えるデザイン方法。以前よりも本堂の屋根が目に留まるようになったのではないでしょうか。

引くデザイン

引くデザイン

ぎんなん保育園 R壁の作り方

ぎんなん保育園改築工事。内装・外装工事ともに着々と進んでいます。工事完了まで残り1ヶ月、目前。小さなスペースの中を多くの職人さん達が走り回っています。
「R壁はどうやってつくったの?」と質問がありましたので、作り方をちょっと解説。まずは工場で曲率を指定し、太鼓形集成材を成形します。その集成材を横向きに基礎上に設置し、R型土台とします。土台の上に間柱を建て込み、その上に構造用合板を留め付け、さらに石膏ボードを張り、R壁を作っていきます。この方法で作るためには、石膏ボードが曲げられる範囲内の曲率であることが条件となります。もし曲げがきつければ、ボード表面に霧吹きをすることで張り付け易くなります。設計段階では色々と試行錯誤しましたが、現場では思っていたよりもスムーズに工事が進行しました。R壁を作る為には施工手間がかかりますが、出来上がった空間はとても特徴的でユニーク空間に仕上がります。

R壁下地 R壁下地 R壁下地

ぎんなん保育園 2期工事 建て方完了

ぎんなん保育園改築工事。2期工事部分の建て方が無事に完了しました。
1期工事での経験の蓄積によるものか、大工さんの作業は今回はとてもスムーズ。前回は、組み立てに手間取っていた井桁状合成梁組みも、難なく組み終えました。何事も慣れっていうのは大切です。次にまた同じような工事があれば、もっと効率よく作業を終えることができるでしょう。(このような特殊な工法を経験する機会は中々無いかもしれませんが。)今回、設計者として、井桁状合成梁という特殊な工法を採用し、実際に現場監理を行えたことで、とても良い経験を積むことができました。このような工法には、施工上どのような問題店があるのか、どうすればもっと効率良く工事を進めることができるかなど、様々なノウハウを学ぶことができました。
1期工事で既に出来上がっている園舎とも外壁が繋がりました。工事は引き続き、内装工事に入っていきます。

ぎんなん保育園外壁下地 ぎんなん保育園外壁下地

ぎんなん保育園 曲面壁の墨出し

ぎんなん保育園改築工事。雨の合間を縫って、先週、コンクリート打設が完了。
現在、土台を設置するために、コンクリートの天端に土台位置をプロットする作業が進行中。この作業を建設業界では「墨出し」と呼びます。何故かと言えば、墨汁でコンクリの上に直接位置を書き込んでいくため。このハイテクな時代でも、現場の作業は昔ながらの方法で行なわれています。今回の土台(壁)は曲面を描いています。X−Y方法だけで、位置を決めていくのは至難の業。そこで、トランシットという計測機の登場。直角以外の細かな角度や距離を緻密に計測することができます。CAD図面上で測っておいた数値をトランシットを使い、原寸にして一つ一つ竹と墨つぼを使い、プロットしていきます。ハイテクとローテクの交差する場所。

トランシット トランシット トランシット

ぎんなん保育園 2期工事スタート

新園舎への引っ越しが終わると同時に、旧園舎の解体、2期工事の基礎工事が始まりました。
今後は引っ越しの終わった園舎を建て増していくような感じで、地盤改良、基礎配筋と1期工事と同様に、また始めから一つづつ工事が進んでいきます。全体の竣工予定は6月末。つまり工期は2ヶ月半。1期工事が終わったからといってのんびりとはしていられません。また再び現場確認へと通います。

2期工事基礎配筋 2期工事基礎配筋

ぎんなん保育園 新園舎へ引っ越し

旧園舎から新園舎への引っ越しが終わり、今週から新たな空間での保育が始まりました。
以前の園舎とはがらっと変わった空間に子供達がどのような反応を示すかと見ていましたが、子供達の順応性は驚くほど早く、既にわーっと元気よく園舎内を走り廻っていました。
保育室や遊戯室などと書かれた空間の名称や使い方のルールなんてものは、子供達にとってはまったく関係ない大人の決めた約束でしかなく、その空間に潜在しているより本質的な使い方を読み取り、より自由により柔軟に、この空間を使いこなしていくのでしょうね。

園舎引っ越し 園舎引っ越し 園舎引っ越し