カテゴリー: 建築など

2世帯住宅を設計する上で最も大切なポイントは

2世帯住宅の設計で最も大切なポイントは、世帯間(世代間)の距離を設定することです。2世帯と一言にいっても、その関係性は多種多様。距離の近い世帯もあれば、距離の離れた世帯もあります。100世帯があれば、100通りの解があるわけです。互いが気兼ねせず、自分達のペースで暮らせるかどうかは、世帯間の心理的・空間的距離によって決まってきます。間取りという平面的距離感が、その世帯間の心理的距離感に合っていることが、互いに心地よく過ごすためには重要なのです。

私の事務所で設計してきた2世帯住宅には、玄関の入口から完全に居住エリアを分けている完全独立型から、玄関や浴室、リビングなど一部を共用する半同居型、寝室以外はすべて共有という完全同居型まで、さまざまなパターンがあります。各パターンとも、その組み合せ方によって世帯間(世代間)の距離には、ヴァリエーションがあります。

ただ、闇雲に生活エリアを離すだけでは、一緒に暮らしている意味はありません。折角同じ屋根の下に暮らす訳ですから、一緒に暮らすことのメリットを享受しつつ、つかず離れずの程よい関係を作り出すこと。それが2世帯住宅を設計する際の肝だと思います。

2世帯住宅の距離 2世帯住宅の距離 2世帯住宅の距離

調査鑑定書の作成業務について

建築関係の訴訟や調停において必要となる「私的(調査)鑑定書」。私の事務所では、このような調査鑑定書の作成業務も行なっています。設計事務所といっても、建物の設計業務だけを行なっている訳ではないのです。現地調査や報告書の作成、提出書類の作成など、さまざまな業務を行なっています。

建築関係の訴訟では、瑕疵(間違いや欠陥)の判断において専門的な知識が必要となってきます。ここがおかしい、ここが間違っているとただ主張するだけでは、裁判所は瑕疵を認めてくれません。何が、どのような根拠で、どのように違っているのか、また、その瑕疵(欠陥)を取り除くにはどのような方法があるのか、などなど論理的に証明していく必要があります。

私的(調査)鑑定書は、主張の整理を行ない、主張の根拠を論理的に示す方法です。今回依頼いただいたケースでは、鑑定内容は多岐に渡り、かなりのページ数になりました。本来であれば、訴訟など起きないことがベターですが、事故のようなもので、決して起きないと言い切ることはできません。もし建築関係の訴訟や調停でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。できる限り、誠実に対応していきたいと思います。

金子勉建築設計事務所
メールアドレス info@kaneko-archi.com
電話 0120-797-899
金子勉建築設計事務所HP

建築私的鑑定書 建築私的鑑定書

「燕ぎんなん保育園」が「キッズデザイン賞」を受賞しました

新潟県燕市で設計した「ぎんなん保育園」が2015年キッズデザイン賞を受賞いたしました。この賞を受賞できたのは、このプロジェクトに関わってくれた多くの人たちの力あってのものだと思います。園長先生を始め、保育園スタッフや理事の方々、大工さんや施工関係者、市役所の担当の方々に改めて感謝いたします。この賞は私の事務所だけでなく、皆さんと共に受賞したものです。これからも設計を通して社会に貢献できるよう心掛けていきたいと思います。

審査員コメント(転記)
「建築空間自体を子どもたちの五感を育む装置と捉え、設計された曲線を活かした行き止まりのない空間、自然素材を使った内装仕上げが印象的である。見る位置、遊び方によって姿を変えるこの空間で、子どもたちはさまざまな思い出を育むことができるだろう。」

キッズデザイン2015 web
ぎんなん保育園受賞コメント

キッズデザイン賞新潟
燕ぎんなん保育園燕ぎんなん保育園

スタディ模型作製

先週から検討を進めていた複合ビル計画。検討に検討を重ね、平面を決定しました。今回採用したのは平面の異なる2案。どちらの案も甲乙つけがたいということで、模型を作って両方をプレゼンすることに。平面構成が異なるため、立面の表情も変わってきます。端正な印象のグリッド立面とポツ窓の開いた壁面が印象的な立面。もし、このような賃貸住居が並んで建っていたら、皆さんはどちらに住みたいでしょうか。どちらが採用されるのか、それともまた違う案となっていくのか。乞うご期待。

スタディ模型作製 スタディ模型作製 スタディ模型作製

プランスタディ中

都内某所に複合ビルを計画中。敷地北側には住居専用地域が広がるため、日影制限が掛かってきます。日影図を睨みながら、なるべく影を北側に落とさないよう建物の外形を削り、平面を調整しています。日影規制は建物のプランニングに大きく影響してきます。避難階段をこっちにしたり、あっちにしたり。更に部屋の使い勝手やレンタブル比、施工性などを考慮しながら、検討を進めています。上手くまとまるかな。

プランスタディ プランスタディ

「ぎんなん保育園」引くというデザイン方法

ぎんなん保育園は木造平屋の建物です。平屋であることで床面積600㎡超と、かなり大きな建物になりました。基本構想の段階では2階建て案も検討しましたが、最終的には平屋案を採用しています。なぜ平屋としたのかというと、2階建てとすると子供達が2フロアに分かれてしまい、年齢の異なる子供達同士の交流が図れなくなってしまうのを避けることが一つの理由でした。それに加え、もう一つの理由がありました。敷地隣に建つ寺の本堂を隠してしまわないようにと、意図したことです。

本堂の瓦屋根はこの地域にとって、昔から変わらぬ風景であり、心の拠り所でした。その風景を隠してしまうのではなく、新たに建物が建つことでシンボリックに際立たせたいと考えたためでした。水平方向に伸びる平屋の園舎と垂直方向に立ち上がる本堂の瓦屋根。お互い異なる方向性を与えることで、互いが互いを強調し合っているように見えます。自らが主張するのではなく、敢えて引くことで環境を変えるデザイン方法。以前よりも本堂の屋根が目に留まるようになったのではないでしょうか。

引くデザイン

引くデザイン

住宅プレゼン模型完成

プレゼン模型が完成しました。この模型を持ってクライアントへの提案に臨みます。今回の提案は木造2階建てのコンパクトな住宅。あまりにデザインデザインした華美な空間になり過ぎないようシンプルであることを心掛けました。片流れの屋根と四角い窓が特徴のかわいらしい雰囲気の建物です。

プレゼン模型 プレゼン模型 プレゼン模型

建築模型 作製中

とある住宅の模型を作製中です。建築の仕事をしている人ならまだしも、普通の人には平面図だけでどんな空間になるのか、イメージしにくいですよね。そこで私の事務所では出来る限り模型を作ってクライアントへ提案をするようにしています。模型が立ち上がってくると同時に、部屋同士の繋がりやその部屋雰囲気、室内への光の入り方など様々なイメージがリアルに沸き上がってきます。より現実的に想像できるよう、キッチンカウンターやソファー、テーブルなどの家具も作り込んでいきます。

建築模型 建築模型

ぎんなん保育園 設計書類の山

ぎんなん保育園改築工事。
工事完了まであと少し。
現在、設計では役所への提出書類や現場資料をまとめる作業に追われています。
設計の仕事は、図面だけを描くだけではありません。
設計図面を書くのは当然ですが、現場が始まってからも、
細かな納まりを決めたり、現場で職人さんと打合せをしたり、
仕上げ材を選んだり、関係官庁との調整をしたり、と様々な業務を行ないます。
今回、ぎんなん保育園が工事完了するまでに作成した図面や書類を積上げてみました。
なんと、その高さ50センチ。膨大な情報量です。
木造平屋の建物を作るだけでもこれだけの書類が必要になってきます。
情報を整理し、図面や指示書で現場へ正確に伝えていくということ、
つまり、コミュニケーションを図ることが設計の主な業務なのです。

設計資料 設計資料

スタディ模型作製

スケッチでまとまった平面を元に、さっそく模型を作っていきます。
平面というのは、あくまで2次元。
模型を作ることで3次元の空間を作り、模型の中を覗いて、
内部空間の雰囲気や部屋同士の繋がりや見え方、陽の入り方などを、立体的に検証していきます。
この段階の模型はスタディ(検討)用の模型です。
作っては壊し、壊しては作りを何度も繰り返し、
スタディ=検証し、少しづつ模型を洗練させていきます。
このようなカタチの模型材料があるですか?とたまに聞かれますが、
残念ながら、そのようなボードはありません。
真っ白なボードに定規を当て、ひとつひとつ切り抜き、接着剤でくっつけて作ります。
テーブルや椅子などの家具も、カッターで切って作るんです。
なかなか根気のいる作業なのです。

スタディ模型 スタディ模型 スタディ模型

手の動きから生まれてくるカタチ

新潟市内でスタートした住宅計画。
現在、基本プランの検討を進めています。
図面の上にトレーシングペーパーを敷き、
青や赤のペンでその平面の上に新たな平面を描き、
色鉛筆で塗ったり、スケッチやメモを書いたり。
行きつ戻りつしながら、設計検討が進んでいます。
私が設計を進めていく手法として主に用いているのは、
スタディ模型を作ることと、平面図を手でスケッチすることです。
パソコンのモニタ上で図面のスタディを進めていくことも出来るのですが、
考える作業においては、感覚的に合わないのか、どうもしっくりきません。
平面が2次元だからでしょうか。。。
模型を作っている時や、スケッチを描いている時には
どのようにお互いの空間が繋がって見えるのか、
陽の入りはどうか、庭の見え方はどうなるかなど、
既に3次元的なイメージを思い描いているような感覚があります。
まるで手の動きがそのまま頭の中と連動しているような。
どんな道具を使って創造していくかによって、その造形は制約を受けてしまいます。
手の動きから生まれてくる平面と、パソコン上で生まれてくる平面。
同じ平面を考えていても、その考える道具が異なれば、
まるで異なったカタチが生みだされてくるのでしょう。

エスキス エスキス

緩やかな繋がりのある空間

新潟市内で住宅の設計が始まりました。
私が設計が始まってまず最初にすることは
実際に敷地を訪れ、その場の雰囲気や街の空気を読み取っていくことです。
何の先入観もなく、素直にその場を感じること。
当然と言えば当然なのですが、これがとても大事な手続きだと思っています。
そして、クライアントと話をすること。
どんな家に住みたいかというようなヒアリングではなく、普通に話をすること。
どんなものが好きか?最近聞いている曲はどんなものか?興味あることは?などなど。
暮らしの趣向というか、その人の好みを読み取っていく作業とでもいえば良いのでしょうか。
そのような手続きを経て、初めて設計の作業が始まります。
今回、設計検討を進めていて頭に浮かんだのは、コートハウス(中庭)型の平面でした。
光と風を取り入れるため、いくつもの中庭を分散配置した、ちょっと複雑な平面構成。
中庭を介して部屋と部屋が繋がることで、適度な距離感を保ちつつ、
お互いの気配を感じて暮らすことができる、そんな場所。
書斎から窓の外を見ると、中庭の樹々の向こうに遊ぶ子供達が見え、
子供達からは窓の外に料理を作る母親の姿が見える。
そんな緩やかな繋がりを実現する住宅。

新潟のコートハウス模型 新潟のコートハウス模型