カテゴリー: 家具製作

無垢材の仕上げ種類とソープフィニッシュ仕上げの手順

無垢材カウンターの仕上げには、さまざま方法がありますが、私の事務所でよく採用している塗装仕上げをいくつか挙げ、解説してみたいと思います。

    1. 無垢材カウンターに仕上げが必要なのはなぜか
    2. 無垢カウンター材の仕上げにはどんな方法があるか
    3. 各仕上げの特徴
    4. ソープフィニッシュ仕上げの手順

無垢材カウンターに塗装仕上げが必要なのはなぜか

無垢材カウンターは、水に塗れたり、コーヒーをこぼしたり、手で触ったりすると、表面に汚れが染み込みやすい自然素材です。写真の左手はオイル塗装仕上げ、右手は塗装無しの無垢材に水を垂らして数分後の状態です。(上が西南さくら、下がナラ)オイル仕上げ表面は水をはじき、抜き取れば跡が残りませんが、塗装してない表面は水分が染み込んでいるのが分かります。水であれば乾けば元に戻るのですが、油汚れやコーヒーや紅茶などは跡が残ってしまいます。

無垢材を塗装せずにそのまま使うこと自体は問題ないのですが、濡れ跡や汚れがつく度に、やすり掛けをしていてはキリがありません。塗装仕上げを行うことで、表面に撥水効果を持たせ、汚れにくくすることができます。

無垢カウンター材の塗装仕上げにはどんな方法があるのか

大きく分けて、塗装には表面に被膜を作るタイプと、被膜を作らないタイプの2種類があります。被膜を作るタイプの塗装は、木の表面を塗装被膜で固め、木の呼吸を止めるもの。被膜を作らないタイプの塗装は、成分が木の表面に浸透して、撥水や劣化防止効果を持たせるもの。

被膜を作る塗装仕上げの代表は、ウレタン塗装です。せっかく無垢材を使うのであれば、被膜を作らずに仕上げたいところですが、湿乾変化の激しい場所や気温変化の高い場所などで無垢材を使うと、反りが発生する可能性が高いため、表面を被膜で覆い木の呼吸を止めることで、反りや割れを抑えることができます。ただし、木の表面が塗装被膜で覆われるため、、触り心地は塗装面のつるっとした質感になります。(最近では艶消しで、木の質感が残るウレタン塗装も出てきています)使っていく間に、塗装面にスクラッチ傷がついて表面が曇ってくるため、定期的にポリッシュを掛けるなどのメンテナンスが必要になります。

被膜を作らない仕上げには、オイル塗装、蜜蝋ワックス塗装、ソープフィニッシュ仕上げがあります。いずれも脂分が木の表面に浸透し、防汚効果を発揮するものです。塗料によっては、撥水効果だけでなく、木に栄養分を与えるものもあります。撥水効果は永遠に続くわけではないので、年に数回、定期的に塗装をかけてやる必要があります。表面に被膜をつくらないため、木の質感がそのまま残り、触り心地が良いことが特徴。木の経年変化を愉しめるのもこの塗装の利点です。

各仕上げの特徴

ウレタン塗装は、水で濡らしたような濡れ色に仕上がります。表面が塗装被膜で覆われるため、つるつるとした触感になります。

オイル塗装、蜜蝋ワックス塗装は、いずれも水で濡らしたような色目になります。そのままの木の色目よりも色目が濃く、杢目がくっきりと仕上がります。オイルを浸透させて仕上げるので、ハンドワックスを塗った後のようなしっとりとした触り心地になります。

ソープフィニッシュ仕上げは、何も塗装しない木の自然な風合いのまま仕上がります。さらさら、すべすべの触り心地になるのが特徴です。(撥水・防汚性能はオイル仕上げよりも劣るため、水を常時使う場所に使用する場合には注意が必要です。)

水を多用する個所には耐水性の高いウレタン塗装。木目を強調させたい場合や濃い色に仕上げたい場合は、オイルまたは蜜蝋ワックス塗装。色目や杢目を目立たせたくない場合には、オイルフィニッシュ仕上げと、場所ごとに仕上げを使い分けるのがベターです。わたしは、優しい雰囲気を作りだす際にはソープフィニッシュ仕上げ、空間のポイントとして木を強調する際にはオイルまたは蜜蝋ワックス仕上げと使い分けています。

無垢材を選ぶ際は、水で濡らして表情を見るのが鉄則です。上の写真は、アズキナシという無垢材の右手半分を水に濡らした写真です。水に塗れた部分は、赤みが強く、杢目もはっきりと出ているのが分かります。

濡らすと木の印象ががらっと変わる材もあれば、まったく印象が変わらない材もあります。オイル塗装で仕上げたら、最初見た無垢材のイメージとは違ってしまった、とならないよう、必ず水で濡らして表情を確認してください。

ソープフィニッシュ仕上げの手順

上に挙げた塗装の中でも、もっとも手軽にできるソープフィニッシュ仕上げの手順を紹介します。石鹸水を木の表面に塗るだけですので、誰でも簡単にできて、どんな木に塗っても失敗はありません。手軽にできなければ定期的なメンテナンスも億劫になってしまいますので、誰でも簡単に、というのは大切な要素です。

[用意するもの]

  • せっけん(無添加せっけん)
  • お湯
  • カッター
  • 食器洗い用スポンジ
  • 紙やすり(#400番程度)

固形せっけんは、「無添加せっけん」としてください。無添加せっけんでないと、せっけん成分の他に、漂白剤や着色料などが含まれています。木材表面を漂白(または着色)してしまわないよう、無添加せっけんを用意してください。

固形せっけんをカッターで削ります。えんぴつを削る要領で。お湯1Lに対して、大さじ3~5杯程度のせっけん削り節が必要です。せっけん量は目安ですので、濃いめにしたい場合は多めに入れても問題ありません。

お湯にせっけん削り節を入れ、良く混ぜて溶かします。せっけん削り節が溶け、泡が立ち始めたらソープ塗料が完成です。お湯の温度は高めの方が泡立ちが良くなります。泡立ちが良い方が仕上がりが良くなります。やけどしない程度に熱めのお湯を用意してください。

食器洗い用スポンジのスポンジ面(ざらざらの研磨面ではありません)にせっけん水をよく染み込ませ泡立て、無垢材の表面を軽く撫でていきます。木の表面に泡を擦りつけるような感じで、隅々まで塗り残しの無いように。せっけん水で濡れた部分は、色目が濃く、杢目がくっきりと出ますが、乾けば元の木の表情に戻るので、気にせずに手早く作業を行いましょう。

スポンジで全体に塗ったら、塗りむらがないように布で表面を軽く拭き取ります。風通しの良い日影において、おおよそ30分程度、表面を乾かします。乾燥すると木の表面が少し毛羽立つので、#400番の紙やすりで軽くやすり掛けしたら、完成です。強くやすりを掛けると、せっかく表面に出来たせっけん被膜まで削り取ってしまうので、あくまで表面を整える程度に軽くかけるのがポイントです。


上の写真が仕上げ前のトチ(栃)カウンター、下の写真がソープフィニッシュ仕上げ後の栃カウンター。ソープフィニッシュ仕上げ前後を比べてみると、ほとんど色目に変化はありません。写真をよく見比べれば、仕上げ後の方がやや木目がはっきりと出たような感じがしますが、ぱっと見ではどちらが仕上げをしたのか分からないほど木肌に変化はありません。

さらっとした木の自然な風合いを楽しみたい、木肌の素材感をそのまま活かしたい、そんな時には、ソープフィニッシュ仕上げがおススメです。

カウンター・テーブルの無垢材を選ぶポイント

「ダイニングテーブルに無垢の一枚板を使いたい」
「書斎カウンターを個性ある無垢材にしたい」
「長く使うものだから本物の無垢の板を使いたい」

家を建てる際、こだわりのポイントに無垢材を使いたいと考える方は多いのではないでしょうか。しかし無垢材をどう選んでよいか分からない、どこで探せばよいか分からない、どのくらいの値段なのか分からない方が大半のように思います。設計を仕事にしている私でさえ、分からないことの方が多いくらいですので。

私の事務所にも、無垢材をどう選べばよいか分からないのでアドバイスがほしいと相談される方が年々増えてきているように感じます。今回はそんなあなたのために、無垢材の選び方のポイントを書きたいと思います。

    1. どうやって無垢材を選べばよいのか
    2. 無垢材にはどのような種類があるのか
    3. 無垢材を取り入れるにはいくらかかるのか
    4. 無垢材の加工方法
    5. 無垢材の欠点(デメリット)は

どうやって無垢材を選べばよいのか

一言で無垢材といっても、赤みのある重厚な無垢材、白い柔らかな表情の無垢材、長さのあるカウンター材、幅のあるテーブル材、などなど数えきれないほど木の種類があります。といっても、無限に選べる訳ではありません。使う場所が決まっていれば、必要な長さや幅などの寸法も分かっているでしょうし、予算にも限界があるはずです。まず選ぶための手がかりとして、以下の3点を決めることから始めると良いと思います。

  • 購入予算(いくらの予算で手に入れたいのか)
  • 必要な大きさ(長さ、幅、厚さなどの材寸法)
  • 自分の好み(好き嫌い)

購入予算について

無垢材は同じ大きさの板でも、樹種や杢目などの違いで1枚数千円から上は数百万までと大きく金額が異なります。無垢材の値段は、おおむね木の種類によって決まりますので、大体の予算が決めてあれば、この辺りの樹種で選べばよいのだな、と目途がつきます。杉や松(パイン)などの成長の早い木は安め、ウォルナットやカリンなどの成長が遅い木は高め。国内で比較的手に入りやすい木は安め、手に入りにくい木は高めになります。また木目の詰まった材や特殊な杢目が出ているほど金額が上がります。

必要な大きさについて

当然、使う場所によって必要とする大きさは変わってきます。テーブルであればある程度の巾が必要でしょうし、カウンターであれば長さが必要になってきます。無垢材は自然の木を製材したものですので、長さ、幅、厚さとも全て違っています。大きめの寸法で無垢材を購入し、カット加工すれば必要な寸法の材は手に入りますが、必要以上に大きな材を買う分、割高になってしまいます。ちょうど良い寸法の材を探すように心掛けてみてください。おのずと選べる材が絞られてくるはずです。

自分の好みについて

予算も手ごろで、必要な大きさが確保できる材が無事に見つかったとします。しかし一番大切なのは、その無垢材を自分が気に入るかどうかです。この点だけはアドバイスをすることができません。個人的な好き嫌いですので。無垢材をじっと眺め、触りごこちを試し、匂いを嗅いでみてください。この木、好きだな~となれば買い、あまり感情移入できないな~となれば、止めておく。無垢材は、一度購入したら長く使うものですので、気に入るかどうかはとても重要です。もし購入するまでに時間的余裕があるのなら、その場では購入せず、一度家に帰ってじっくりと考えてから決めるのが良いと思います。その場の勢いだけで決めてはいけません。(場合によっては、材木屋さんに取り置きしておいてもらう手もあります。)

無垢材にはどのような種類があるのか


樹種は限りなくあります。といっても、国内市場で流通している手に入る材の中から選ばなくてはいけないので、無限ではありませんが。樹種全てを挙げていてはきりがないので、選ぶ際に考えておく指標を下記に書き出します。

色目:濃い―淡い
硬さ:硬い―柔らかい
端部の形状:耳あり―耳なし(端部に樹皮の部分が残っているか―カットされてストレートになっているか)
木目:はっきりとした木目-おとなしい木目
香り:香りがある―香りがない
質感:ざらっとしている―さらっとしている/冷たい―暖かい

無垢材を取り入れるにはいくらかかるのか

無垢材の値段はそれこそピンからキリなのですが、それでは参考にならないので、仮に一枚7万円程度の表面を仕上げてない無垢板をテーブル材に仕立てるとした場合の金額を計算してみます。

無垢板7万円
+表面サンダー(やすり掛け)仕上げ2万円(材の大きさにより異なる)
+オイル塗装仕上げ1万円(材の大きさにより異なる)
+輸送料2万円(配送地により異なる)
+別途テーブル脚の用意2万円(何を選ぶかによって異なる)
合計14万円→消費税を足して15万円前後。

無印良品で一番大きなテーブルを購入しようとすると約12万円ですので、そのテーブルに数万円足すだけで購入できることになります。もしテーブルトップの無垢材に15万円のものを選べば、合計23万円になりますが、それでもまったく手が届かない金額ではないと思います。無垢材のテーブルであれば、それこそ一生使えますので。もし50年使うとしたら、23÷50年=4,600円/年で無垢材テーブルを手に入れることができます。

上記はテーブルに仕立てる計算をしましたが、カウンターや飾り棚として建物に組み込む場合は、大工さんの取付加工費用がかかります。

無垢材の加工方法

できればカット加工せずにそのまま使えれば一番なのですが、カウンターとして組み込む場合など、その場所に入るようにカットする必要が出てきます。その際に注意する点としては、その無垢板のどの部分を見せるかを考えてカットすることです。節の出ている部分をちょうど真ん中に配置する、杢目の出ている方を手前の見える側に配置するなど、どこカットし、どの向きにするかで木の印象がずいぶんと変わります。(どの部分をどう使うかを考えることを「木どり」すると言います)

購入前には必ず立て掛けてある無垢材を、横に倒して置いて、見せてもらいましょう。立て掛けてみていた感じとはまた違ってみえるはずです。試しに無垢材の左右の向きを変え、次に裏返してみてください。向きを少し変えただけでも、印象が違ってみえるはずです。最初はあまり印象が良くなかったけど、見る向きを変えてみたら印象が良くなったこともあります。

「木どり」が決まったら、木の表皮の部分「耳(みみ)」をカットするか、無くすか、を決めていきます。耳を残せば、木らしい荒々しさが残りますし、耳をカットすれば端正な整った印象になります。

次に仕上げの方法を決めていきます。表面をサンダー仕上げにすれば、表面が平滑になり、杢目が目立つようになります。が、材木を製材する際に残ったノコ目(のこぎりの歯跡)を残す方法もあります。よりワイルドな表情を求めるのであれば、ノコ目のまま、といった選択肢もあります。

無垢材の欠点(デメリット)は

無垢材も、良い点ばかりではありません。自然の素材であるだけに、ひび割れが入ったり、反りがでたり、といった可能性がない訳ではありません。きちんとした材木屋さんで購入することはもちろんですが、もし仮にそのような現象が起こった場合には、引き取り修理や現場修理で対処してもらえるところから購入することをおススメします。

また定期的なメンテナンスも必要となります。(といっても大げさなものではなく、年に数回オイル拭きをしてあげる程度ですが。)メンテナンスが面倒な方にはお勧めできないかもしれません。メンテナンスを繰り返すことで、木の表面は年々、つやが出て表情を変化させていきます。経年変化が愉しめることは無垢材の特典です。

ここぞといった場所に、無機質な集成材や既製品カウンターではなく、個性的な表情の無垢材を取り入れれば、その空間の雰囲気はがらっと変わります。いつも使うダイニングテーブルや書斎のカウンターなど、あなたの気に入った場所に無垢材を取り入れてみてはどうでしょうか。

「岩室の平屋」丸太はつり機仕上げ

「岩室の平屋」根曲がり丸太から太鼓状に加工した棟梁。大工さんと加工方法について打合せをして、決定した「丸太はつり仕上げ」。(「斫り=はつり」とは、ノミなどで表面を削り取ることを言います。)現場に組み込まれた梁材と、初めて対面しました。

太鼓状に挽いてもらった梁の側面は、帯鋸(おびのこ=バンドソー)の目が残るよう、敢えて仕上げはせず、加工したままの、荒々しさを残しました。根の部分が曲がった梁材は、存在感が強く、上品に仕上げてしまっては、その木の存在感とちぐはぐになってしまいます。杉皮のついていた丸太表面は、その曲がりなりに丸太はつり機で表面を削り落としてもらいました。丸太はつり機で仕上げた表面は、小さなノミで斫ったような、独特の表情をしています。

太い部分で梁成約70センチ。端正な空間の中に、まるで壁から梁材が生えているような、とても面白い表現になりました。

ちなみに、隣に並んだもう一本の梁は、「手斧(ちょうな)」で仕上げてもらいました(↓下の写真参照)。機械で仕上げた表情とは異なり、一か所一か所が深く削り取られ、ファイヤーパターンのようなメラメラとした杢目が表れています。ちょうなの向きを変えることで、削り取られる向きが変わり、浮き出す杢目が変わってくるようです。木目金という鎚起銅器の技法がありますが、そう!まさに木目、と改めて納得してしまいました。

数年前にも、仕上げにちょうな仕上げを採用した事があるのですが、ここ数年で、手斧(ちょうな)を使える大工さんは、大分減ってしまいました。このような面白い表現が、いつかできなくなってしまうと思うと、寂しさを感じます。

「岩室の平屋」太鼓梁材の仕上げ方法

太鼓梁

「岩室の平屋」先日、丸太から製材し、太鼓状に加工してもらった梁材。乾燥ボイラーから梁材が出てきたと連絡を受け、状況を確認をしてきました。(おおよそ1週間程度×24時間、ボイラー釜に入れて乾燥を行ったとのことでした。)

今回の丸太材は、伐採してから数年間、そのまま屋外に放置していたので、自然と湿気が抜け、そのままでもじゅうぶん乾燥していたのですが、丸太の中に入っている虫を殺すためと、割れや狂いを低減するため、念には念を入れてボイラー乾燥を行いました。ボイラーから出てきた直後の梁材に触れると、暖かく熱を持っているのが分かります。梁の表情は、ボイラーに入れる前に比べ、やや茶色の色目が増し、以前よりも引き締まった印象です。

梁材を前に大工さんと次の工程、仕上げ方法についての打合せ。全体に曲がりがあり、材寸法もかなり大きな梁材ですので、できる限り、この材の存在感をそのまま生かしたい、と設計者の意図を伝えます。

表面の仕上げが繊細すぎては、この材の存在感を殺してしまうし、とはいえ、あまりにも丸太感を出してしまうと、野暮ったくなってしまうし。。。そこで、仕上げイメージを伝えるため、ネット上の画像をこんなラフな感じ、と大工さんに見せると。

丸太はつり機

ああ、それならと、箱から出してきたのは「丸太はつり機」。掃除機の吸い込み口のような部分に、回転するローター刃が組み込まれていて、丸太の表面を削り取っていく加工道具。私は初めてみましたが、丸太の樹皮の部分を剥がしていくための道具だそうです。ローターのアタッチメントを変えることでさまざまな削り方ができるとのこと。この道具であれば、梁の曲がり部分も曲がりに沿って、上手く削り取っていけそう。

といった流れで、太鼓梁の下側の表面仕上げは「丸太はつり機仕上げ」に決定。側面の製材機でカットした断面には、製材機のノコ目(歯の跡)が残っていたため、そのラフな表情を残すため、仕上げは無しで。果たしてどのような表情に仕上がっていくのか、はつり機の仕上がりが想像できないだけに、とても楽しみです。

仕上がった後日の表情は、こちらの記事で。


柱・梁材とは別に屋根を支える垂木(たるき)部材の加工は、加工形状が複雑なため、大工さんが加工場で手作業にて加工中。屋根勾配に沿って垂木をかけるため、斜めの角度で梁と取合うため。加工形状の形定規を薄べニアで作って、その定規を使って垂木を一本づつ、丸ノコで加工していきます。

とにかく作業場が暑い!ということを除けば、こちらの加工は問題なく、進んでいる模様。ここまでくれば後は、現場での建て方作業を待つだけです。

「燕のガレージリノベーション」内装仕上げ材料

「燕のガレージリノベーション」工事が完了しました。今回、使用した内装仕上げ材は、以下の通りです。

1階床フローリングには、スギ無垢フローリング(自然塗料)
階段には、杉集成材
2階床フローリングには、チーク無垢フローリング(自然塗料)
カウンタートップには、花梨(カリン)無垢材

陽が差し込まない暗い1階には、柔らかく明るめの材料、陽の入る明るい2階には、硬質で深い色目の材料と、空間の明暗に合わせ、仕上げ材の色目・素材感を変化させています。移動していくに従って変化していく空間の表情。様々な素材を使い、空間変化をつけることで、小さな空間でも、多様な場所が生まれ、実際の床面積以上に広がりを感じます。

カリンカウンター
杉集成材階段
杉フローリング

「新潟青山のコートハウス」作り付け収納について

設計事務所の設計する住宅は、デザインばかりが優先されていて収納が少なく直ぐにモノがあふれてしまう、と思われている方がいるかもしれません。(確かに、そのような設計者もいるかもしれませんが。。。)私の事務所では、例え居住スペースが多少減ったとしても、できる限り収納量を確保するよう、設計時に考えています。

折角、居心地がよく美しい空間を作ったとしても、物があふれてしまえば、その居心地の良さを圧迫してしまいかねません。多少居住スペースが狭くなったとしても、収納を多めに設けて、美しく保ちたい空間には、物を極力置かない、または、物を仕舞っておくというのが、正しい解法だと考えるからです。

また、ただ単に収納量を増やすだけでなく、収納する物の大きさや場所を考慮して、適材適所に物が納まるよう考えていくことも大切です。玄関収納には、靴やコート、スコップやガーデニング道具など、クローゼットには、洋服や下着類など、洗面にはタオルやストック洗剤など、キッチンパントリーには、ストック食材や食器類など。さまざまな収納物には、ここに有って欲しいという固有の場所があるはずです。

私はできる限り、作りつけ収納を建築工事で作ることを心掛けています。(いわゆる大工造作収納というものです)新築時に収納棚などが無く、住み始めてから収納家具を購入する、というパターンもありますが、それだと建築費の他に更に家具購入費が別に必要になってきます。全体でかかる費用を考えれば、建築工事の中で作ってしまった方が結果、総費用は安く収まるというケースは実は多いのではないでしょうか。

作り付け収納
作り付け収納
作り付け収納
作り付け収納

「燕のガレージリノベーション」カリンカウンター現場搬入

「燕のガレージリノベーション」先日、材木屋で選んだカリンのカウンターが現場搬入されました。長さ2.7m、室内に搬入されると、倉庫の中で見た時よりも、一回り大きく見え、更に存在感を感じます。表面をプレーナーで仕上げたことによって、倉庫内で見た時よりも、花梨(カリン)らしい深い赤みが増したようです。

カウンター材を台の上に仮設置して、材の位置や向きなどを最終調整。敢えてカウンターの端(この端の部分を耳、といいます。)を室内側に向けることで、無垢材らしさを強調しよう、という事に決まりました。この後、カウンターを裏側からビスで固定して、その下部に収納棚を作り込んでいきます。工事もいよいいろ最終段階に入ってきました。

カリンカウンター搬入
カリンカウンター搬入

「燕のガレージリノベーション」無垢材カウンター選び

カリンカウンター
「燕のガレージリノベーション」今日は工事現場を離れ、材木屋に来ています。リノベーションする部屋の一部にカウンターをつくる予定ですが、折角つくる予算をかけて作るカウンターですので、集成材ではなく、無垢材カウンターにしてはどうかという事になり、値段が手ごろな見栄えのする木を探しに、新潟市小須戸の材木屋さん「新発田屋」へ行ってきました。

集成材といえども、幅や長さが一般的に流通しているサイズを超えると、受注生産品となり、値段はそれなりに上がってしまいます。無垢材=高級、というイメージがあるかもしれませんが、無垢材でも部分的に割れがあったり、曲がっていたり、長さが中途半端だったりすると、掘り出し物として手ごろな値段で入手できる場合があります。ただ、いつもそんな良いタイミングで木材に出会える保証はないので、そんな材にたまたま出会えたのなら、あなたは相当ラッキーです。

カリンカウンター

無垢材というのは、同じ長さと巾でも、樹種の違いや木目の出方によって、数万円のものから数百万円のモノまで、価格が大きく異なります。一般的に無垢材は加工して保管してある訳ではないので、丁度良い長さと幅の無垢材がいつでも簡単に手に入るかというと、そんなことはありません。もうほとんど出会いモノ、出会えたらラッキー、という感じです。値段は手ごろ、木の表情や色目は気に入ったのに、ちょっと幅が足りない、ちょっと長さが短すぎたりと、丁度良いものに出会うのはなかなか難しいことです。

丁度良い大きさで、手ごろな値段の無垢材を手に入れようとしたら事前に、材木屋さんに必要なサイズや好みの樹種などを伝え、倉庫の中や木材市場を探してもらうのがよいでしょう。場合によっては、しばらく時間を掛けて探してもらうのが良いかもしれません。

カリンカウンター

今回、選定の候補として数種類の材を掘り出してもらいました。その中で一番、お施主さんの目に留まったのは、花梨(カリン)のカウンター材でした。縮み杢が入った少しハードな印象の花梨。花梨の特徴といえば、その深い赤色ですが、赤だけでなく、周辺部には白い部分が残っていましたので、その白い周辺部を残して加工してもらうことにしました。

花梨(カリン)といえば高級材ですが、端部に少しひび割れが入っているため、ずいぶん割安で手に入れることができました。加工の仕方しだいで、ひび割れは気にならないことが分かっていたので、とてもお得な買い物になりました。 これより加工場へ運び、必要な寸法にカットし表面仕上げてから、現場へ配送してもらいます。重厚な赤みのあるカリン材。現場に搬入されるのが楽しみです。

「上越高田の家」ダイニングテーブル天板選び

「上越高田の家」ダイニングテーブルの天板を選ぶため、お施主さんと材木屋さんへ行ってきました。伺ったのは、新潟市小須戸にある材木店・製材所の新発田屋さん。材木倉庫の中には、一人で持ち上げられないほど大きなカウンター材から手頃な大きさの板まで、所狭しと材木が積み上がっています。

ここで材木を見たら、無垢材と一言でいっても、数えられない程の種類があることに驚くはずです。また同じ樹種でも、柔らかな表情の木、ハードな印象の赤みのある木、曲がった木やまっすぐな木、特殊な杢目の入った板まで板一枚一枚に表情があり、どの一枚をとっても全く同じ表情のものはありません。

その中から施主さんが目を心を惹かれたのは、神代タモ(じんだいたも)。神代とは、千年以上前の太古の時代から土の中に埋まっていた木の事を呼ぶようです。土の中にありながら千年以上も腐ることなく、存在していた貴重な材です。そんな木には、神が宿っているとされています。どうやらお施主さんは、この木に呼ばれてしまったようです。

材木との出会いは、運命だと思います。皆さんも一度、本物の無垢材を実際に見て、触って、体験してみてはいかがでしょうか。一生付き合える、これだ!という一枚に出会えるかもしれません。(3枚目の写真は、互いに拝み倒す新発田屋さんの社長とお施主さんの図)

無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び
無垢材カウンター選び

「立川の3世帯住宅」造作家具工事

「立川の3世帯住宅」大工工事も、いよいよ最終段階に入ってきました。現在、各部屋の棚板やカウンターなどの造作工事が進んでいます。ちょっとした所に棚板やカウンターがあると、とても便利ですよね。まさにかゆい所に手が届くといいますか。

入居した後に気に入った家具を購入して設置するのも良いのですが、ちょうど良い寸法のものがなかったり、事前にコンセントなどの電気配線計画をしたおいた方がよかったり、強度上、工事途中で取り付けをしておいた方が良かったり、といった場合には、こまごまとした造作工事を大工さんに造作工事として現場で製作してもらいます。

寝室内のデスクカウンターや個室の本棚、リビングのテレビボードなど。別で家具を購入するとなると、建設費とは更に購入予算が掛かってしまいますし、それならいっそ、大工さんにお願いして作ってもらった方が、寸法もぴったり、自分の欲しい所に適切に、かつ割安で手に入れられます。

ただ、ここでのポイントは、大工工事で製作できる範囲で、ということ。大工さんでは製作できない複雑な形状・納まりのものは、家具工事となり特注家具製作となって高額ですので、注意が必要。あくまでシンプルな作りのものに限ります。設計段階で、どのような形状であれば家具工事でなく大工さんの技術で製作が可能か、などを踏まえながら、図面を製作しているのです。

造作家具工事 造作家具工事 造作家具工事

「吉田の家リノベーション」ラワン引戸+黒皮鉄引手

「吉田の家リノベーション」木製引戸が取り付けられました。引戸の表面材には、ラワン仕上げを採用しています。ざっくりとした表情のワラン仕上げに負けないよう、引手には黒皮鉄プレートを組み込んでいます。ディテールは出来る限り、シンプルに、すっきりと。

温かみがありながら、シャープな印象を持つ引戸。木と鉄の取り合わせ。その素材感をお互いが引きたて合っています。

ラワン建具と黒皮鉄引手
ラワン建具と黒皮鉄引手
ラワン建具と黒皮鉄引手

「立川の3世帯住宅」床フローリング材の選び方

皆さんは床フローリング材を選ぶ際、何を基準に選んでいるでしょうか。色目だったり、節の有る無しだったり、値段だったりと、選ぶ基準は人それぞれだと思います。ただフローリング材と一言で言っても、種類は無数にあります。普通の人であれば、どれを選んでも良いと言われても、迷ってしまうだけでしょう。

「立川の3世帯住宅」では、フローリングの選定基準は、木の硬さと足触りでした。(お住まいになる方の好みを盛り込んでいるということは当然です。)リビングなどのお客さんの入るようなパブリックな場所には、しっかりした踏み心地の硬めのフローリングを。寝室や個室などのプライベートな場所には、足触りの温かい柔らかめのフローリング材を選びました。

日本人は脚裏の感覚が鋭いと言われています。床材の質感が変化することで、気持ちが引き締まったり、リラックスしたり。視覚ではなく触覚の変化によって人の心に変化を起こす。そんな風にフローリング材を選んでみるのはいかがでしょう。ただし、表面にウレタンコーティングを施したフローリング材には、質感の差はありません。これは無垢材での話ですので、ご注意ください。

フローリング材選び方
フローリング材選び方