「岩室の平屋」地盤改良を行うべきか、否か

先日、スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査を行ったのですが、調査の結果は「軟弱地盤である」との判定結果となっていました。しかし、調査報告書を詳細によく検証してみると、今回の木造平屋のような軽量な建物であれば、地盤改良を行わなくとも問題は起こらないのではないかと、(設計者として)考えていまして。以下、その考察過程です。

地盤改良を行えば間違いなく、地盤沈下などの問題は起こりにくくはなるのですが、その分、地盤改良費用が余計に掛かってしまいます。木造平屋といえど、地盤改良するとなれば、それなりに工事費用は掛かります。おおよその概算として、長さ6m程度の改良杭の施工費は3万円/坪ですので、建築面積25坪×3万円/坪=75万円の地盤改良費用が必要となってきます。全体の建築工事費用と比べても、かなりの割合です。

地盤が持つか、持たないか、を何によって判断するかというと、以下の2点によります。
1:建物の荷重に対して、地盤面の支持力が耐えうるか?
2:荷重が掛かった際の沈下量は、どの程度か?
両者とも、ウェーデン式サウンディング試験から得られたデータを、数式に当てはめれば、その数値を求める事が可能です。
1の建物の荷重は、木造平屋という事もあって、比較的荷重が軽く、地盤支持力が上回るという結果を得られました。
2の沈下量は、約9cmとやや多めではあるものの、地層面にばらつきや傾きは見られず、不同沈下は起こらない(つまり均一に沈下する)と判断することができました。(一般的には沈下量10cmまでは許容値と構造指針で規定されていますが、沈下量5cmまでを目安にするのが常識的な範囲ですので、注意が必要です)

以上の結果が得られたため、今回は地盤改良を行わない方向で進めていこうと思います。ただし、沈下量を最小限に抑えるため、
・基礎幅を45cm→60cmに幅拡張し、地盤面にかかる建物荷重を低減する。
・基礎下の砕石厚さを15cm→20cmに増して転圧を行い、締め固める。
という方法を採用しようと思います。基礎施工費はやや割高となりますが、地盤改良を行う費用と比べれば、各段に割安に抑える事ができます。

写真は、現地で実際に穴を掘って、地盤面を目視確認している写真です。計算で得られた数字だけでなく、実際に自分の目で確認を行う事が最も大事です。支持地盤面は、雨の降った直後の割に乾燥しており、堀った穴の中に立ってみても、沈んでいくという感じはありません。

地盤確認穴掘り