年: 2016年

「立川の3世帯住宅」仕上材の選び方

「立川の3世帯住宅」内装仕上げ材の選定を行なっています。「えっ?仕上材って設計の時点で決まっているんじゃないの?」と、お思いになるかもしれませんが、仕上げに使う材料自体は設計図面で指定してあるものの、その色やテクスチャー(柄)は、(私の事務所では)現場確認してから最終決定するようにしています。

実際に建ち上がってきた空間が、イメージしていたよりも暗い、または、明るい。思っていたよりも開放感を感じたり、または、閉鎖感を感じたり。また、他の仕上材の影響を受けることで、空間の感じ方が変化したりと。イメージしていた空間と現実の空間には、多少なりともブレが生じます。そのブレを調整する為、最終的な仕上材の決定を現場まで持ち越すようにしているのです。

空間がイメージよりも暗ければ、明るく反射率の高い仕上材を選ぶ、少し圧迫感を感じるようであれば柄が細かく平坦なものを、広がりのある空間であれば大柄テクスチャーで落ち着いたトーンのモノを、といったように。料理に例えれば、基本は設計図をいうレシピ通りにつくるものの、最終的な味の調整は、その素材の鮮度やその日の気温や気候、自分の体調などにより、少しアレンジを加えるように。

仕上材の選び方 仕上材の選び方

「ベーシックハウス」プロジェクト、再始動します

2005年に始動した標準化住宅「ベーシックハウス」プロジェクトを再び始動します。

「ベーシックハウス」とは、設計者が全て設計を行なうフルオーダー住宅ではなく、平面、断面、仕様などを標準化したセミオーダーメイドの住宅のこと。設計・施工の標準化を行うことで、住み心地や空間の快適さを保ちつつ、建設コスト抑えるというプロジェクトでした。当初の目標は、延べ床30坪、建設費1200万円台を目標にしていました。実績として、新潟県内に9軒のベーシックハウスが実現した、その後、しばらくプロジェクトが途絶えていました。

そのプロジェクトをこのたび、再開していきたいと思っています。当時、標準仕様として決めた仕様は、耐震性能や断熱性能に関する法律改正や、設備システムや通信設備の技術革新、流通システムとインターネット情報の変化に伴い、すでに時代遅れのものとなっています。そこで、すべての仕様を見直し、新たなベーシックハウスを実現していきたいと考えています。どんな建物が現れてくるか、どうぞお楽しみに。

ベーシックハウス ベーシックハウス

「吉田の家リノベーション」ラワン引戸+黒皮鉄引手

「吉田の家リノベーション」木製引戸が取り付けられました。引戸の表面材には、ラワン仕上げを採用しています。ざっくりとした表情のワラン仕上げに負けないよう、引手には黒皮鉄プレートを組み込んでいます。ディテールは出来る限り、シンプルに、すっきりと。

温かみがありながら、シャープな印象を持つ引戸。木と鉄の取り合わせ。その素材感をお互いが引きたて合っています。

ラワン建具と黒皮鉄引手
ラワン建具と黒皮鉄引手
ラワン建具と黒皮鉄引手

「立川の3世帯住宅」作り手の立場と暮らす人の立場

「立川の3世帯住宅」現在、大工工事の真っ最中。設計者は図面を描けば仕事が終わり、という訳にはいきません。現場に何度も脚を運んで、大工さんや設備屋さん、電気屋さん等、多くの職人さんと図面で表現しきれていない部分や、工事の進行に伴って現れてくる様々な取り合いなど、打合せして決めていく必要があります。

下地材の留め付け方法から、仕上げの納まり、使う材料の仕様や配線位置、配管ルートなど、各工程毎に決定しなければいけない事項が多岐に渡りめくるめくように現れてきます。設計者が現場に行かなくとも、職人さんの意識が高ければ、ある程度の所まで建築の出来映えを整えることはできるのでしょうが、「こうしたい」という設計者の意図を現場に示すことで、出来上がってくる空間に差が生まれてくるような気がします。

何が違うのかというと、空間の強度が違なる気がします。随分、曖昧な表現ですが。。。職人さん達は作り手の立場から物事を決めていきます。当然、こちらの方が作りやすい、いつもこれでやっているからと。設計者は、クライアントの代弁者として、暮らす人の立場から物事を決めていく立場をとります。そんなちょっとした立場が異なる判断の積み重ねが、空間の強度、ひいては、暮らしやすさや空間の心地よさを変えていくのだと思います。

大工工事 大工工事 大工工事

「立川の3世帯住宅」床フローリング材の選び方

皆さんは床フローリング材を選ぶ際、何を基準に選んでいるでしょうか。色目だったり、節の有る無しだったり、値段だったりと、選ぶ基準は人それぞれだと思います。ただフローリング材と一言で言っても、種類は無数にあります。普通の人であれば、どれを選んでも良いと言われても、迷ってしまうだけでしょう。

「立川の3世帯住宅」では、フローリングの選定基準は、木の硬さと足触りでした。(お住まいになる方の好みを盛り込んでいるということは当然です。)リビングなどのお客さんの入るようなパブリックな場所には、しっかりした踏み心地の硬めのフローリングを。寝室や個室などのプライベートな場所には、足触りの温かい柔らかめのフローリング材を選びました。

日本人は脚裏の感覚が鋭いと言われています。床材の質感が変化することで、気持ちが引き締まったり、リラックスしたり。視覚ではなく触覚の変化によって人の心に変化を起こす。そんな風にフローリング材を選んでみるのはいかがでしょう。ただし、表面にウレタンコーティングを施したフローリング材には、質感の差はありません。これは無垢材での話ですので、ご注意ください。

フローリング材選び方
フローリング材選び方

「吉田の家リノベーション」モルタル仕上げ浴室

「吉田の家リノベーション」浴室の工事が進行中です。今回は既存のタイル仕上げの壁面をモルタルで塗り込みます。レトロな雰囲気だった浴室を、モノトーンのシックな雰囲気へと変えてしまおうという計画です。

さすがに全体をモルタルで仕上げてしまっては、雰囲気が硬すぎると考え、天井はウェスタンレッドシーダーの木貼りとして、少し温かみを加えてみました。モルタルと木という素材の取り合わせ。両者とも自然素材だけに、相性は良。ちょっと懐かしさを感じるよい雰囲気に仕上がってきました。

浴室モルタル塗り
浴室モルタル塗り
浴室モルタル塗り
浴室モルタル塗り

「吉田の家リノベーション」納まりスケッチ

「吉田の家リノベーション」現在、内装工事が着々と進んでいます。工事が始まる前に設計図面は描いてあるのですが、リノベーション(リフォーム)工事では、実際に工事が始まってみなければ納まりが分からない部分も多く、その都度、現場で大工さんと打合せをしながら進めていく必要があります。思い通りに行かないのが新築とは異なる部分。

現場でじっと目を凝らし、上手く納まらない部分を素早く見つけ、その場でささっと納まりスケッチを描いて、大工さんと打合せをしていきます。何かが起これば、直ぐに検討し、方向性を決める。これが現場をスムーズに進めていく秘訣。現場はライブだなと、感じる瞬間です。

その場で検討して決めたスケッチは、いつでも目を通せるよう、壁に張り付けておきます。図面よりもスケッチで描く方が大工さんはイメージがし易いようですね。個人的には、太めのマジックでスケッチを描くのが好みです。

納まりスケッチ 納まりスケッチ

「吉田の家リノベーション」オーダーキッチン設置

「吉田の家リノベーション」キッチンカウンターが現場に搬入されました。今回のキッチンカウンターは、特注で作ったオーダーメイド品。カウンター全長が5mもある、とても長ーーーいキッチンです。これだけ長さがあると搬入経路など、ある程度の条件が揃わないと(製作は出来たとしても)現場への設置ができません。

カウンタートップには、厚さ2ミリの重厚なステンレス板を採用し、シンクも工場で特注製作したシャープな形状のものを組み込みました。人間の感覚というのは鋭いもので、見た目では分からなくとも手で触れれば、その板が厚いのか、薄いのか、なんとなく感じるものなのです。

敢えて厚手のステンレスを使うことで、普段包丁を使っている時など、カウンターがしっかりと受け止めてくれている安定感を感じることができるでしょう。

製作キッチン設置 製作キッチン設置 製作キッチン設置

「吉田の家リノベーション」あえて窓を小さくするという選択

「吉田の家リノベーション」では、既存の大開口サッシを敢えて小さくするという選択をしています。普通であれば、一般的には、窓は大きければ大きい程明るくて良いと思われていますが、今回の改装に当たって窓を小さくするという敢えて逆の選択をしました。

もともと道路に面していた大きな窓。外から室内が丸見えになるということもあり、大半はカーテンを閉めていました。開口を絞ることで、カーテンを開けていても、外からの視線が気にならないようにしようと考えました。窓を小さくすることで開放感は少なくなりますが、壁に囲われることによって、空間に落ち着きが生まれました。

ただ開放的にするだけが良い訳ではありません。どのような雰囲気の空間にしたいのかによって、様々な窓の開け方があります。小さすぎてもいけませんし、大きすぎてもいけません。空間のボリュームに対しての開口バランス、窓の方角、そして、内装仕上材の反射率などなど、様々な要素を鑑みながら決めていくことが大事です。

窓を小さく 窓を小さく
窓を小さく

「吉田の家リノベーション」ステンレスシンク製作

「吉田の家リノベーション」キッチンシンクを工場で特注製作してもらいました。既製品のステンレスシンクだとどうしても、角の折り曲げ部分が丸くなり、エッジが甘いというか、シャープな印象を作り出すことがなかなか出来ません。今回、クライアントから求められたキッチンカウンターのイメージは、シャープで、タフで、かつ、ざっくりとしたラフさでした。

そこで地元のステンレス加工工場に依頼し、丸みの無い、かちっとした折り曲げのシンクを製作してもらいました。エッジ処理だけの違いなのですが、見た目の印象はだいぶ異なります。

シンクと同様、直角に切り抜いたステンレストップのカウンターに組み込むと、よりシャープさが際立って見えます。質実剛健なキッチンカウンター。こういった表情のキッチンも、すっきりして良いですね。

製作ステンレスシンク 製作ステンレスシンク 製作ステンレスシンク 製作ステンレスシンク

「吉田の家リノベーション」インスタレーション?

「吉田の家リノベーション」写真では、インスタレーションのようになっていますが、天井張りの作業中です。石膏ボードを貼った上に、接着剤とフィニッシュ釘でラワン合板を張り付けています。何本も立っている棒は、接着剤が乾くまで支えるつっかえ棒です。

以前の天井には、凸凹があり、天井に影ができることで、折角の天井高を高く感じませんでした。今回の工事で、天井の凸凹の下がりを取り外し、フラットな天井としました。実際には天井高さは低くなったのですが、広がりが出ることで、以前よりも天井高さが高くなったように感じます。錯覚なんですが。。。

また、天井をフラットにすることで、光が室内奥にまで廻るという利点もあります。窓付近だけが明るく、部屋の奥が暗いなんて場合には、天井をフラットにし、明るめに仕上げる方法は、とても効果的です。

吉田インスタレーション 吉田の家インスタレーション 吉田の家インスタレーション

「立川の3世帯住宅」壁下地工事

「立川の3世帯住宅」建て方から2週間。現場内では多くの大工さんが右へ左へ活躍中です。ちょうど外壁の下地合板が貼り終わった所で、室内の雰囲気が少し感じられるようになってきました。

様々な場所に設けた窓開口からは光が差し込み、室内を柔らかく照らしています。周り3方向を隣家に囲まれ、唯一引きの取れる南の道路側も対面にお向かいさんの窓が面しているため、単純にオープンすることが出来ませんでした。そこで、様々な向き、大きさ、高さに窓を配置することで、視線を遮りながら、光を取り入れる工夫をしました。

壁で囲われる安心感と、光と風が入り込む開放感。閉じて開く、または、閉じながら開く。相反する要素を同時に持った室内空間が実現しています。

立川壁下地工事 立川壁下地工事 立川壁下地工事 立川壁下地工事