「上越高田の平屋」雪国で平屋を設計する際に考えたこと

「上越高田の平屋」完成見学会に先駆け設計コンセプトなどについて質問を受けましたのでこちらに再録します。雪国で平屋!?とお思いになるかもしれませんが、あちこちにアイディアを盛り込んだ、雪国らしい素敵な空間が出来上がっています。

インタビュアー
「クネクネと折れ曲がる複雑な平面をしていますが、どのような意図があってそのような形になったのでしょうか?」
設計者 金子
「クネクネと折れ曲がる建物の中に入ると、次々と開けていく視界に導かれ、自然と脚が奥へ奥へと進んでいきます。玄関から奥の部屋までは、距離40m。途中、天井高さは高くなったり低くなったり、床はアップダウンし、窓の外に見える風景は場所ごとに角度を変え、まるで建物の中を散歩しているような気分になります。雪の深い地域では冬の間、どうしても家の中にいる時間が長くなります。そんな雪に閉ざされた季節、室内にいながらも外の自然を感じ、家の中を散歩するように快適に過ごせたらよいなあ、そんな風に考え、この形が生まれてきました。」

インタビュアー
「かなり特殊なデザインの空間になっています。デザイン優先だと冬は寒い、夏は暑いように思うのですが、大丈夫なんでしょうか?特に雪の多い地域では不安を感じる方も多いと思うのですが」
設計者 金子
「雪国の住宅は「窓が大きくとれない」「屋根形状が決まっている」「平面は四角くなければダメ」といった固定概念に皆さん、捕われすぎているように思います。積雪の多い地域では確かに雪に対する配慮は欠かせません。反面、冬が長い地域だからこそ、長い期間過ごす室内環境を心地よく保つことが、より切実だとも言えます。同様に、夏、蒸し暑い地域では涼しく快適な室内環境を整えることが大事です。実際に「上越高田の平屋」でも南側には軒を出したり、アプローチに屋根を掛けたり、断熱材の性能をアップしたりと、様々な工夫を盛り込んでいます。立地環境で不利となる部分はアイディアや建築技術で補えば、自分の暮らしに合った自由な発想の家を実現できると思います。」

インタビュアー
「上越高田は、冬は雪が2m以上も積もる豪雪地域というイメージがありますが、なぜ平屋の建物をつくろうと考えたのですか?」
設計者 金子
「雪の深い地域では通常、高床基礎に総2階建てというのが一般的な形式かと思います。しかし、高床とすると、地面から居室床までの距離が離れてしまいます。地面からの距離を近づけ、地に足の着いた生活環境を実現したい、そのように考えたことが平屋を選択した理由です。ただ余りに床を低くしてしまえば、積雪で雪に埋もれてしまいますので、場所に応じて基礎高さに変化をつける、軒庇を出す、など建築的な操作を各所に行い積雪に対処しています。」

インタビュアー
「耐震性や断熱性などの性能に関して、どのような対応を行なっているのですか?」
設計者 金子
「耐震性に関しては2.5mまでの積雪荷重に耐えられるような構造計算を行なっています。基本的に屋根の雪下ろしはせず、雪を載せたままとする、いわゆる耐雪仕様としています。また、断熱性能は省エネ基準をキチンと満たす仕様となっています。デザインだけが先行し、耐震性や断熱性能は疎かになっているなんてことはありません。完成見学会が12月末に行なわれますので、実際にその断熱性能を体感してもらえるかと思います。」

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