「新潟浦山のコートハウス」苔庭が完成しました

新潟浦山のコートハウス。引っ越しをされてしばらく後に「庭の植栽が終わりました」と施主さんから連絡をいただきました。こちらの住宅、実は引き渡し時点ではコートハウスといいながら、まだ庭が完成していませんでした。コートハウスというだけあって、庭の緑が揃わないうちはまだ完成とは言えません。早速、庭が完成し、どのような雰囲気の住まいになったのか拝見してきました。

玄関からリビングに入り、障子戸を開け放ちます。規則正しく並んだ踏石、少し赤みがかった丸い自然石、廻りには深緑の苔。眼前に広がる抽象画のようなモダンな中庭に、ただただ言葉を失いました。外からは想像もできない、濃密な世界。庭というよりも小宇宙と言った方がしっくりくるかもしれません。

取り囲むように配置した室内空間のどこからでも、この中庭を望むことができます。庭の緑を見ていると次第に境界が曖昧になり、内と外が溶け合っていきます。室内にいながら、まるで外にいるような感覚。陽の光は時間とともに角度を変え、庭から室内へと差し込み、動かない建築に動きを与えています。中庭と建築空間が相乗効果を起こすことで初めて生まれる空間。そんな希有な場がそこにありました。

こちらの庭の作庭をしてくれたのは、新潟の「越後苔匠」さんです。こちらのコートハウスには中央のメインの庭を含めて3つの趣の異なる中庭があります。どの庭も個性的な庭に仕上がっていて見る人を飽きさせません。

コートハウス植栽 コートハウス植栽 015 コートハウス植栽