「J39」チェア ボーエ・モーエンセン

ボーエ・モーエンセンのデザインによる椅子「J39」。無駄を削ぎ落としたシンプルな外観でありながら、温かみのある表情を持っています。すとんとした丸い線材によってフレームが構成されています。唯一特徴的なのは、ゆるくカーブを描いた背もたれ。座面にはペーパーコードが編み込んであります。ペーパーコード座面といえば、ついハンス・ウェグナーのYチェアをイメージしてしまいますが、J39の1947年発表に対して、Yチェアの発表は1950年。J39の方が先にデザインされていたんですね。骨格となっている丸い線材は加工機の加工性能によって決定され、また座面のペーパーコードは、地元の人々がが手作業で編み込み、収入を得るために決定されたそうです。目の前にある技術を使い、一般の人たちにも手に届く価格を目指したことから、別名「ピープルズチェア(民衆のための椅子」とも呼ばれていました。

広い座面の座り心地は、ゆったりとしています。座面のペーパーコードが体重で少し沈み込み、お尻を柔らかく包みこんでくれます。背もたれの幅は大きく、長時間背中を当てていても痛みを感じません。シェイカー家具を参考にしたというだけあって、質実剛健、実用的でありながらも、座り心地に全く妥協はありません。椅子は座っている際の背面の姿が美しいことが大切だと思いますが、その点ではこの椅子は申し分ない美しさです。

「J39」は価格帯を含めて、Yチェアと比較されることが多いのですが、一番の違いは座っていない時にテーブルの下に収まるということです。Yチェアは肘掛けアームが当たってしまいテーブルの下に収まりません。それに対し、こちらはコンパクトにテーブルの下に収まる。また背もたれが比較的前傾して取り付けてあるため、座る姿勢が前傾し、デスクワーク時や食事の時などとても座りが良いと思います。見た目の派手さはないのですが、これくらい控え目な方がどんな空間にも合い、飽きがこず、良いと思います。座ってみて、長く使ってみて、じわじわとくる味わい。

椅子の座り心地というのは、実際に座ってみなければ分かりません。その人の体格やどんな時に座るのか、によって座り心地や評価は変わってきます。できれば購入前に実際に座ってみることをおすすめします。ブログで紹介している椅子は、事務所に来ていただければ実際に座ることができます。新潟近郊の方でぜひ試してみたいという方は、事務所までご連絡ください。

J39 The People’s Chair
デザイナー:ボーエ・モーエンセン(デンマーク)
発表年:1947
販売メーカー:フレデリシア
サイズ:W480×D420×H760 SH445 (mm)
価格帯:7万円〜

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