ガソリンスタンドトイレ増築 朱鷺色の壁

ガソリンスタンドのトイレ増築工事が完了しました。ガソリンスタンドは危険物取り扱い施設ですので、ちょっと改装や増築するにも様々な法的な手続きが必要となってきます。特に厳しいのは耐火性能に関する基準です。今回、工事費をなるべく抑えたいというクライアントからの要望もあり、木造耐火という仕様を採用してみました。鉄骨や鉄筋コンクリート造に比べ、安価で工事を行なうことができます。

ただローコストといっても、設計事務所に依頼された物件ですので、安いだけの空間を作っても意味がありません。折角なので、ここを使うお客さんに空間を楽しんでもらいたいと考え、壁の色を片方を朱鷺(とき)色、片方をブルーグリーンに塗装をしました。朱鷺色のトイレはとても明るくポップな雰囲気に、ブルーグリーンのトイレは上品で落ち着いた雰囲気になりました。

窓から入ってくる光で壁に色のグラデーションができたり、照明をつけると色の濃度が変わったり、まるでインスタレーションのように空間が変化します。今まで私は色を積極的に使うことがあまり多くありませんでしたが、色を使うことでより可能性が広がるということを実感しました。今後は色というものを意識的に設計に取り入れていきたいと思います。

朱鷺色の壁