年: 2006年

「柳橋のコンクリートボックス」鉄筋コンクリート造の作り方

鉄筋コンクリート造の作り方って、皆さんご存知でしょうか?鉄筋コンクリート造の現場の中に入る事は稀でしょうから、現場の中を紹介します。

コンクリートは固まると強固な物体となりますが、固まる前はどろどろの泥のような半液体状態です。この状態を生コンクリートと呼びます。このどろどろの半液体が固まるまで、入れ物(鋳型)にいれておく必要があります。その入れ物(鋳型)を作る作業を行っている写真です。型枠と呼ばれる合板の枠を現場で加工し、予定している形の鋳型となるように、組み合わせていきます。組み合わせた型枠(鋳型)は、外側から形が崩れないよう鉄パイプで固定していきます。

室内には何本ものパイプが立てられ、上部の床を支えています。施工中の現場は、暗い洞窟のようです。コンクリートは固まれば強度が出るのですが、固まるまではこのパイプで床を支持しておく必要があります。このパイプは高さが調整できるようになっており、コンクリートを打っている最中にも床レベルを測定し、高さを補正していきます。壁も同様、コンクリートを打ちながらこまめに測定し、壁の倒れを補正していきます。細かな調整ですが、このような細かな作業が仕上がりの精度を上げていくのです。

今回の建物は、コンクリート面がそのまま仕上げとなる、打放しコンクリート仕上げの建物です。施工精度=仕上がり、となるため、職人さんと施工者の腕が頼りです。

型枠工事
型枠工事
型枠工事
型枠工事

「柳橋のコンクリートボックス」型枠建て込み工事

「柳橋のコンクリートボックス」工事は着々と進んでいます。

現在、3階床の鉄筋を組んでいるところです。敷地の両側とも隣地建物がぎりぎりまで迫っています。隣地外壁との隙間は約50センチ。その隙間に足場を立て、型枠の建て込みを行っていきます。型枠を建て込むと、動ける作業スペースは15センチ弱。移動するのも辛いほどです。

ただ都心の土地価格を考えれば、敷地を出来る限りいっぱいに使いたいというもの。建物の周りに余った隙間といえど、土地を購入する際には、その分も支払いをする訳ですので。このように敷地いっぱいに建てる建て方は、作業性が落ちる分、建設費用が上がってしまう傾向があります。ただ都心のように土地価格の非常に高い場所では、建設費の上昇以上に大きな土地を購入する費用の方が多くかかるため、このような建て方をする方が事業全体ではコストメリットがあります。

配筋工事
配筋工事
配筋工事

「柳橋のコンクリートボックス」基礎配筋工事

「柳橋のコンクリートボックス」基礎配筋工事が始まりました。改めて見ると本当に、敷地いっぱいいっぱいに建物が建ち上がるということが分かります。敷地境界ぎりぎりまで鉄筋が組まれているのが見えています。

この狭い隣地との隙間に足場を組み、型枠を建て込み、コンクリートを流し込んでいきます。職人が入って作業ができるぎりぎりの寸法しかありません。このような寸法で施工を行うためには、事前に入念な打合せと段取りが必要となってきます。このような面倒な仕事を請け負ってくれる職人さん達に感謝です。

基礎配筋
基礎配筋
基礎配筋

「柳橋のコンクリートボックス」狭小敷地で工事を行うために

「柳橋のコンクリートボックス」いよいよ工事が着工します。

既存家屋は既に解体され、街の中にぽっかり穴があいた様になっていました。敷地に立って上を見上げると、まるで井戸の底から空を見上げているような気分になります。

計画敷地の3方向には、敷地境界線ぎりぎりまで隣地建物が迫っています。このような狭小敷地で工事を進めていくためには、隣家と良好な関係が作られていなければ、工事を進めていくのは困難です。なぜなら足場を立てたり、地面を掘ったりと、隣地の土地を一時的に使わせてもらわなければ、いけない事があるからです。

自分の敷地だけで工事をすることもできるのですが、その場合、境界線までの間にある程度の施工スペースを確保しなければならず、土地価格の高い都市部の敷地では、工事をするためだけに隙間を空けておくのは、予算的にかなり余裕がある方でなければできません。

当然、お隣さんも、建物を解体する際や新築する際には、こちら側の敷地を使う必要がある訳で。お互い様という意識が無ければ、このような密集地で建築工事を行うことはできません。

更地

「柳橋のコンクリートボックス」模型内観

「柳橋のコンクリートボックス」模型の内観です。ワンフロアの床面積が約36㎡(11坪)と、とても小さいので、3層を縦に吹き抜けで繋いでいます。 各階ごとで完全に区画してしまうと、閉鎖感が高く、下階にいくほど暗い空間となってしまいます。縦方向に繋がることで、視覚的にも、感覚的にも、広がりを感じさせようと考えました。

2階リビングは、天井高ある空間とし、天井面には大きなガラストップライト(天窓)を設けています。周囲をコンクリートの壁で囲ってプライバシーを確保した上で、上方へと開いて開放感も同時に実現する、そんなことを考えました。トップライトから室内へ差し込んだ光は、壁に反射し、下階へと柔らかく落ちていきます。

模型内観
模型内観
模型内観

「柳橋のコンクリートボックス」模型作製

「柳橋の家」施主さんとの打合せを重ね、案がだいぶ詰まってきました。今回は、とても小さなシンプルなボックス型の建物としました。

4方向とも背の高い建物に囲われるという敷地環境だったため、できる限りプラパシーを確保しようと、コンクリートの四角い建物としました。構造は鉄筋コンクリート造です。室内の静寂性を確保するために、木造や鉄骨のような軽量な壁ではなく、コンクリートの重厚な壁で、屋外環境から室内を切り離そうと考えたためです。

模型を見ると分かる通り、周辺をぎっちりと隣家建物に囲まれています。道路側に向かって最小限の窓が設けられています。基本的な採光は、屋上のトップライトから行います。唯一開けた上空へと積極的に開放する事で、明るく開放的な室内空間を実現しようと考えています。

模型写真
模型写真
模型写真
模型写真

「レストランGUSTO」いよいよ完成です

「レストランGUSTO」遅れていた外回りの工事も天気の合間をぬって何とか完了。無事、工事完了いたしました。夜を待ってスポットライトの向きを調整。エントランスドアの横の窓からは厨房の中が見えています。オーナーシェフがお客さんときちんと顔を合わせて接客したいということからこのような窓配置をしています。店を入る時には、真剣に料理を作るシェフと目が合い、「いらっしゃいませ」、「あっどうも」なんて会話が起こる、そんな設えとしました。

GUSTO外観 GUSTO外観

「レストランGUSTO」ミラー窓枠の効果(その2)

窓の廻りに張り付けたミラー。昼は外の樹々や空を写し込み、外の光を室内に導き入れる効果があります。室内からはミラーに写った緑が更に他のミラーに写り込み、緑が増幅されて見えます。とても面白い視覚効果です。また夜には室内の光を外へと放出し、表通りから見ると店内がきらきらと輝いて見える効果があります。また室内からはミラーに映った夜景が増幅され、とても幻想的な風景を見ることができます。設計の中でミラーを使う機会は今まであまり無かったのですが、使い方次第では、まだまだ可能性があるのだと今回、感じました。

こちらの店名「GUSTO」というのは、イタリア語で「味」を意味します。素材を調理することで味が増幅する、そんなイメージで何重にも重なる楕円の形が、ロゴマークになっていました。そんなお店の増幅するイメージを、ミラーを使って表現しています。

グーストミラー効果 グーストミラー効果 グーストミラー効果 グーストミラー効果

「レストランGUSTO」ミラー窓枠の効果(その1)

「レストランGUSTO」いよいよ開店間近です。現場には厨房器機や家具や椅子が搬入され、所定の位置に据え付けられています。家具が並ぶとお店の雰囲気がぐっと増してきます。最初に現地を訪れた時のがらーんとした写真を見返すと、ほんとうに見違えるようです。ここのところ雨が続き、外部の工事がまだ終わっていませんが、後はお店のオープンまでに天気が回復するのを祈るばかりです。

窓枠に張り付けたミラーに当たった光が反射し、室内に差し込んでいます。下から天井を照らすアッパーライトのような役目を果たし、幻想的な雰囲気を醸し出しています。鏡枠の上に雨水が溜まった時などは、ゆらゆらとした水の動きも加わり、もっと幻想的な効果が生まれるのでしょうね。出来上がりが楽しみです。

鏡の効果 什器搬入 什器搬入

「レストランGUSTO」欠点を利点に変える方法

「レストランGUSTO」こちらの物件、平面は凹型をしていて細い通路で空間が両側に分けられていると書きました。どうしても空間が2つに分かれてしまうので、片方をエントランスと厨房、もう片方を客席エリアとしています。エントランスから入ったお客さんは、厨房の中を覗きながら細長い通路を通り抜け、奥への客席へと移動していきます。

真ん中にある細長い通路によってエリアが分断されてしまうことを、当初は欠点だと考えていました。しかし途中の段階で、この細長さを有効に使えばよいのではないかということに気がつきました。エントランスから客席までのアプローチが長ければ長いほど、その期待感は高まるのではないかと、逆転の発想をしました。決定を利点に変える。それが設計者が出来る一番の工夫だと思います。

店舗長いアプローチ 店舗長いアプローチ

「レストランGUSTO」横長に切り取られた窓

「レストランGUSTO」横長に切り取られた窓が出来てきました。内部から見ると、道路の緑地帯が目の前に広がり、なかなか良い感じ。ガラスで全面が開いていた時は、そこまで緑に目がいかなかったのに、このようにフレームで切り取られた瞬間、目に留まるようになります。人間の知覚って面白いですね。

工事の進行は速く、現場にいく度に現場の表情が変わっていきます。昼も夜もなく工事が続いていいるのでそれは当然なのですが。。。設計者が現場内をうろうろしているとそこらじゅうで職人に呼び止められ、ここはどうするの?あそこは?と質問責めに合います。しかも迷っている暇はありません。その場で即答しなければ工事が止まってしまいますので。ほんと、店舗工事のスピードには驚きます。

グースト横長窓工事 グースト横長窓工事

「レストランGUSTO」工事が始まりました

「レストランGUSTO」しばらくブログ更新が空いてしまいましたが、設計提案は受け入れられ、現場は既に工事に入っています。

店舗工事というのは、住宅などの建築工事と比べ、スピード感が違います。提案が受け入れられると同時に、テナント賃貸契約がなされ、即実施図面作成、即見積もり、即工事スタートと、あっという間に進んできます。確かにテナント契約してからオープンまで時間が空いてしまえば、その間、売り上げも無いのに、賃貸料だけが出て行ってしまいます。クライアントが早く早くと工事を急かすのも分からなくもありません。

提案した通り、前面道路に面したガラス面を横長形状に切り取る工事が行なわれています。内装工事も急ピッチで進んでいます。オープンまで一気に駆け抜けていきます。

グースト店舗工事 グースト店舗工事 グースト店舗工事