年: 2005年

「中野のコートハウス」関東ローム層地盤の確認

「中野のコートハウス」地盤調査の結果からは地面下すぐに良い地耐力が出ているとのデータが得られていました。東京の西側では(海抜の高い地域に限られますが)関東ロームと呼ばれる良質な地層が確認できる場所が多々あります。

今回の建物は地盤改良を行わずに、関東ローム層に直接基礎を載せるという方針にしました。地盤改良を行わないことで建設コストを抑えることができます。ただし、調査データだけでは不安があったため、実際に掘削して地盤面を目視確認することにしました。

数十センチ掘ってみると、次第に茶褐色の土が現れてきました。関東ロームの特徴は茶褐色であることです。脚で踏み込み、しっかりとした土であることを確認。データだけで安易に判断するのではなく、実際に目で見て確認することが大切です。

地盤面確認 地盤面確認

「中野のコートハウス」いよいよ着工です

「中野のコートハウス」既存家屋の解体が終わり、いよいよ着工します。解体が終わって更地になってみると、隣家が敷地ぎりぎりまで迫っているのかよくわかります。隣の家の影が敷地内に落ち、そのまま単純に南に窓を設けただけでは室内に光を取り入れることができません。冬至に近い時期だけに最も不利な影が落ちていることもありますが。

更地になった地面の上に、ピンクの糸を張って建物の位置を示してあります。これを自縄張りといいます。道路境界ぎりぎりまで建物が迫ります。建物の位置を最終確認し、これを起点に基礎工事が始まります。

自縄張り 自縄張り

「中野のコートハウス」プレゼン模型作製

「中野のコートハウス」施主さんとの打合せも順調に進み、実施図面もだいぶ詳細まで詰まってきました。最終的な平面を確認するため、再度模型を作成しました。今回の模型は実施図面に基づいてできるだけ忠実に作っています。外壁の色なども実際と同じ色を貼り付けています。

模型でみると敷地いっぱいに建物が建っているのがよくわかります。屋根形状は中央の中庭に出来る限り光を取り込むため、漏斗状に中心に向かって傾斜しています。

外部から見ると窓の少ない閉鎖的な印象ですが、中庭側にはいくつもの大きな窓を配置しているため、内部空間は思った以上に開放的で明るく空間になってくるはずです。また、各部屋の窓から中庭を介して別の部屋が見えることで、建物のどこにいてもお互いの気配を感じながら暮らすことができるよう意図しました。

模型写真 模型写真 模型写真 模型写真

「中野のコートハウス」スタディ模型作製

敷地にはそれぞれ、建蔽率や容積率、斜線制限や採光条件などの法律上の制約が掛けられています。設計を始める際には、さまざまな法的な条件を整理し、まずその敷地に建てることのできるボリュームから検討を進めていきます。ボリュームの目安を掴んだ上で、施主さんの要望を平面と断面に落とし込んでいきます。

部屋の広さはもちろんのこと、部屋同士の繋がりや通風や明るさなど、色々な角度から検証を重ねていきます。また図面上での検討と同時にスタディ(検討)模型を作り、中を覗いて確認し、再び平面修正を繰り返していきます。

2方向を隣家に囲まれ、更に2方向を道路に面した敷地。隣家に面した方向からは採光が望めませんし、道路に面した方向にはプライバシーの観点から大きく窓を設けることができません。試行錯誤を重ねてたどり着いたのは、コートハウスという形式。敷地境界いっぱいに建物を建て、真ん中に穴をあけて中庭を配置し、その中庭から光を取り入れるという案。密集した市街地に建てる場合には有効な方法だと思います。

スタディ模型 スタディ模型 スタディ模型

江ノ島小屋からみる江ノ島花火

江ノ島小屋のオープニングパーティーが始まりました。相模湾を眺めながら美味しい料理とお酒を楽しんでいると、次第に辺りは暗くなってきました。屋上に上がると目の前にどーーーんと大きな音を上げて花火が上がっています。屋上から見ていると、花火がすぐ近くに見え、迫力満点です。

一人店を出て、花火をバックに建物の夜景を撮影。大きく跳ね出した庇と、それを支える連続梁。店内の照明に照らされ、とても美しく輝いています。昼にみた印象とはまた違った印象。梁のスケールからくるのか、力強さと繊細さを同時に持った建物になっていると感じました。建物の裏手に上がる花火に合わせてシャッターをパシャリ。

江ノ島小屋花火 江ノ島小屋花火 江ノ島小屋花火

江ノ島小屋 オープニング準備

江ノ島花火大会が行なわれる本日、江ノ島小屋オープニングパーティーが行なわれます。厨房内ではスタッフの皆さんがあっちへいったりこっちへいったり、料理の仕込みに余念がありません。テーブルや椅子も店内に並び、いよいよお店がオープンするんだなという実感が湧いてきます。

1階の天井は、梁が表しとなっています。一定の間隔で規則的に並んだ力強い梁材。床は墨モルタル仕上げ。江ノ島小屋という名前の通り、船小屋のように、少し無骨な雰囲気の空間になりました。天井からは以前この場所に建っていた小屋の梁材を吊るし、照明を設えました。

江ノ島小屋店内 江ノ島小屋店内 江ノ島小屋屋上

「江ノ島小屋」オープン

「江ノ島小屋」いよいよ本日オープンです。オープン直前まで工事が続き、ひやひやしましたが、何とかここまで漕ぎ着けることができました。

設計スタートしたのが今年の年明け直ぐ、設計と工事で約7ヶ月の時間を要しました。通常ですと設計が始まってから竣工まで1年弱くらい掛かるので、今回は、かなり急ピッチに進めてきたことになります。といっても、設計の手を抜いた訳ではありません。短い時間の間にも、リミットぎりぎりまでこだわって考え、湘南というこの場所に合った雰囲気を纏った建物になったのではないかと思います。これも一緒になって考えてくれたオーナーさんや、短い時間の中で頑張って働いてくれた職人さん達の努力があったからこそだと思います。この場を借りて感謝いたします。

江ノ島小屋完成
江ノ島小屋完成

江ノ島小屋 デッキテラス完成

江ノ島小屋も、いよいよ来週工事が完了し、お店がオープンします。店内では職人さんが工事の最終調整をしている隣で、店のスタッフの皆さんがハンドリングや料理のシュミレーションを行ない、段取り確認に余念がありません。内装工事が片付いた後も、デッキテラスや植栽など外構工事が続き、オープンまでは、まだまだやることが目白押しです。設計者としても、役所の完了検査や保健所検査などの許可手続きが続き、最後の最後まで気が抜けません。

もう季節はすっかり夏。きっと多くのお客さんが訪れてくれることでしょう。江ノ島にお寄りの際はぜひお立ち寄りください。

江ノ島小屋 江ノ島小屋 江ノ島小屋

江ノ島小屋 店舗内工事

1階厨房内には設備器機が搬入され、やっとお店らしくなってきました。店舗内も外壁の少し濃い茶と合わせて濃いめのトーンで落ち着いた雰囲気で統一しています。客席の外にはデッキテラスを設け、天気のよい日には外で食事ができるようになっています。デッキテラスに反射した湘南の光が店内に溢れ、とても明るい空間になりました。

店舗内装工事 店舗内装工事 店舗内装工事

江ノ島小屋 木仕上げの外壁が表れました

江ノ島小屋の外部足場が外れ、いよいよ外観が表れました。外壁の板は最終的に濃いめの茶で塗装を掛けました。(手すりがまだ未塗装ですが)背後の松林の緑ととてもよく馴染み、まるで昔からそこに建っていたかのような雰囲気を纏っています。

目の前の橋を渡る人たちは、目につくのか、あそこに何が出来るんだろうね、と話をしながら歩いています。店舗として、外観が目を引くというのはとても大切な要素だと思います。新建材が氾濫する周辺の街並とは異なる自然素材を使ったことで、他とは異化して見えるのでしょうか。当初のコンセプトは昔、海岸沿いにあった網小屋を思い出させるような懐かしい風景。このお店のコンセプトに共感し、多くのお客さんが訪れてくれることを期待します。

外壁パイン材 外壁パイン材 外壁パイン材

江ノ島小屋 工事ラストスパート

江ノ島小屋、店舗オープンまで後1ヶ月を切りました。現場内は、大工さん、設備屋さん、塗装屋さん、建具屋さんなどなど多くの職人さん達が入り乱れています。屋上デッキの工事が終わったので屋上へ出てみると、目の前にはぐるりと相模湾がひらけていました。南には三浦半島、西側には富士山。下階の一方向に海を臨む空間とは異なり、屋上の開放感はまた格別です。天気の良い日にここでお酒飲んだら気持ち良いこと間違いありません。

来週には外部足場が取り外しとなる予定ですので、外部周りに手直しがないか入念にチェックして廻ります。足場を外した後で気がついても、後から直すのは至難の業ですので。外観が現れるのが楽しみです。

江ノ島小屋工事 江ノ島小屋工事 江ノ島小屋工事 江ノ島小屋工事

江ノ島小屋 大型ガラス「気合い」の取り付け作業

江ノ島小屋の河川に面した側は、景観を臨むために全てガラス面となります。柱の他は全てガラス面で構成されます。今日は、そのガラスを留め付ける工事が行なわれています。こちらの複層ガラス、高さが2.6mもあるので、かなりの重量になります(計算では100キロくらいになるそうです)。狭い現場内ですので当然、搬入にクレーンなどは使えません。では、どうやって搬入するのでしょうか?答えは単純、人海戦術です。別名「気合い」とも呼びます。多くの職人さん達が「せーのっ」と声を掛けながら手で運んでいきます。運んでいるのは、ガラスですのでちょっと角をぶつけただけでも、破損してしまいます。足下の悪い現場の中、慎重に慎重に一枚づつ取付け作業を行なっていきます。丸一日掛けて全てのガラスの取り付けが完了しました。職人の皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございます。

大型ガラス取付け作業 大型ガラス取付け作業 大型ガラス取付け作業